TEIKAジャーナル

【作業療法学科】鬼滅の刃と作業療法士

2020/12/14

 こんにちは!作業療法学科の小橋です
今日は現在話題の”鬼滅の刃”と”作業療法士”についてお話したいと思います。

 主人公は、大正時代に生まれた少年です。
この物語では、夜になると鬼が人をさらって食べてしまっていたようです。

 主人公はある日、家族を鬼に奪われてしまいます。ところが、幸いにも妹だけは奇跡的に助かりました。
しかし、鬼の血を浴びてしまった妹は、鬼になってしまいます。

この物語は、唯一生き残った家族である妹を元の人間に戻すために鬼と戦っていく物語です。

主人公は、いろんな意味で鼻が利くらしく、怒り、悲しみ、喜びなどの感情も臭いで理解することができます。

 ある時、鬼を倒した際にその鬼の感情が、臭いとして主人公に伝わってきます。そこで、鬼になってしまった理由や出来事を知ることになります。  

 実はみんな好んで鬼になったわけではなかったのです。もともと人間だったのですが、生きる気力を失なってしまうような出来事を体験し、同じ人間に冷たく、そしてつらく虐げられた結果、鬼になってしまったと言っても差し支えないでしょう。

 鬼になってしまうと、徐々に人だったときの記憶が消えていきます。そして容赦なく人を食べ始めます。しかし、鬼が死んでしまう間際、徐々に人間だった時の記憶が蘇ります。

 主人公は、妹のために鬼と戦っていくたびに、鬼の悲しい過去を知ることになります。
その過去を知るたびに、闇雲に正義を振りかざすことに、ある種の違和感を感じていきます。
そして、鬼は、自分たちと同じ人間であり、辛い過去を体験した悲しい人たちであったと言うことを理解していきます。

話を現代に戻しましょう。

 現代は、物凄いスピードで目まぐるしく時間が過ぎていきます。
そして、忙しさに忙殺されてしまう出来事が非常に多いと思います。
誰かに理解してもらいたい時に、話を聞いてもらうことさえもできない状況にあることが多いでしょう。

ヒットの影には、このような現代の社会的背景があったのではないかと感じています。
そして、主人公の言葉が、心に刺さったのではないでしょうか?

”作業療法士”に話を戻します。
作業療法では、その人の生活への向き合い方について目を向けていきます。
その向き合い方を探っていくと、その場でなぜそういう行動が決定されたのか?と言う事だけではなく
行動が決定されるに至ったその背景について知ることを求められます。

 もし、私たち作業療法士が”鬼”に出会ったら、どのように対応するでしょうか?
おそらく、面接を行うでしょう。そしてそのつらい背景を知ろうとするのかもしれません(本当に?)
(早めの相談が必要です。記憶が薄れていきますので)
そして、共存していく道がないのか?鬼が豊かに生きていくための方法はないのか?
一緒に探っていくでしょう(食べられるまで...)

 私たち作業療法士は人の健康と幸福を支援する立場にあります。
ですから、その場の現象だけでなく、なぜそう至ったのか?そこに目を向けることで
クライアントの思いに寄り添い、健康と幸福に寄与しています。
もし”鬼”がクライアントであれば、勿論、真剣に向き合うでしょう

言うなれば、

"作業の呼吸"とでも申しましょうか?

型については、個人的にお伝えします!

全集中の呼吸!!
 
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