図書館だより 第11号 2000.1.17
[目次]
こんなCD-ROM見てみませんか?使ってみませんか?
当館には少ないながらもCD-ROMの所蔵があります。利用する際には申込書を書いて貰っていますが、面倒がらずに使ってみませんか? 今回は所蔵しているものの中からいくつか簡単にご紹介します。
■とにかく文献を探したいという人には
Current Contents。世界の主要国で出版された約1,000種の雑誌の最新号の文献情報を集めたもので、毎週更新されます。昨年より以前のものも1年分づつまとめて検索することができます。検索も表示も英語ですが、抄録があります。検索結果をFDにダウンロードして自分のPCで利用する事も出来ます。当館では以下の分野を購入しています。
- Agriculture, Biology & Environmental Sciences. 1995-2000
- Engineering, Computing & Technology 1999-2000
- Physical, Chemical & Earth Sciences 1995-2000
- Life Sciences 1995-1998
■「やっぱり百科事典でしょ」という人には
マイペディア97。平凡社のマイペディアという百科事典に画像情報をふんだんに取り入れたものです。年表や地図などからも検索できます。検索語がうろ覚えでも、例えば「○○神社」のように指定できるので簡単です。各項目の文中に出てくる他の検索語や関連項目にクリックひとつで移動出来ます。
■辞書を引くのが億劫な人には
岩波理化学辞典 第5版。物理学・化学を中心に天文学・地球物理学・地質学・鉱物学・気象学・海洋学・数学・情報科学・生物学・医学・薬学・工学にわたる22,000項目の用語・人名・組織名を検索できます。基本的な辞書の引き方に加え、物質を化学式から検索(化学式検索)したり、本文全ての中から該当する単語を検索(全文検索)することもできます。
■おなじみのCD-ROMもあります
TV番組でおなじみの「世界の車窓から」。スタートボタンをクリックすると列車が走り始めます。ナレーションが文字で記され、写真が動きます。訪れる先の情報も隠されていて思わぬところからウインドゥが現れます。そんな情報を探して見るのも楽しいでしょう。列車が走り始めると、終着駅に辿り着くまでには時間がかかりますが、途中で終わらせる事も出来るので安心です。スイス、イギリス、イタリア、中国、オリエント急行編があります。
■天文ファンには
Stella Navigator Ver2.0。観測場所と日時を指定して星座や惑星を選ぶと、その星座が現れます。居ながらにして、世界各地、過去や未来の星空が楽しめます。天文小事典もついているので、調べものにも活用できます。「軌道がどうの、等級がどうのなんて言うほど、詳しくないもん」という向きには、スライドショーで色鮮やかな写真の鑑賞などいかが?
■美術ファンにも美術音痴にも
レオナルド・ダ・ヴィンチ。ご存じでしょうが、ダ・ヴィンチは画家であると同時に建築家、哲学者、科学者でもあり、万能の人と呼ばれています。このCD-ROMには、有名な絵画はもちろん、発明品の数々や時代背景なども納められています。「モナ・リザしか知らないよぅ」という人、もっと違うダ・ヴィンチに会ってみませんか。
第1回『図書が書架に並ぶまで』
先日、電車の中でこんな会話が聞こえてきました。
「ねエ、どんな仕事に就きたい?」
「うーん、図書館なんかいいなー。」
「どうして?」
「だって、楽そうじゃん。座って本を貸していればいいんでしょ?」
...本の貸出は図書館の重要な仕事です。でも、それは図書館の仕事のほんの一部なのです。そこで、皆さんに図書館の現場を少しでもご理解いただき、図書館を有効に活用していただくために、今号より3回にわたって図書館の仕事をご紹介します。 第1回は『図書が書架に並ぶまで』です。
<選書>
図書館で図書を受け入れる方法は購入と寄贈があります。購入する際には図書館運営委員と図書館職員が中心となり、様々な出版情報をもとに、収書方針に照らしながら購入する図書を選びます。学生のみなさんから購入のリクエストがあった図書は、検討のうえ購入の可否を決定します。寄贈図書には団体や個人から自発的に贈られるものと、図書館からの依頼によって贈られるものとがあります。自発的に寄贈された図書は既に所蔵していないか、収書方針に合っているか検討し、受入の可否を決めます。
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<発注>
選書された図書の正確な書誌データを調べ、発注票を作成し、書店に発注を出します。
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<納品・受入>
通常2週間程で図書が書店から納品されます。(なぜ2週間もかかるのか不思議に思われるかもしれませんが、書店に在庫がないときは取次や出版社から取り寄せるため、このくらいの日数がかかってしまいます。)納品された図書が発注データと合っているか、価格は正しいか、落丁や乱丁はないか等を確認します。そして会計データをパソコンに入力し、一冊ごとに登録番号を付与しバーコードを貼ります。
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<分類・整備>
図書に蔵書印を押し、主題から図書を分類し請求記号を付けます。書架に並べたとき請求記号が一目でわかるよう、背表紙に請求記号がタイプされたラベルを貼ります。辞書・事典類などの参考図書には禁帯出シールも貼ります。
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<目録作成>
2つのデータベースに図書の情報を登録します。まず大学図書館を中心とした多くの機関が参加する総合目録データベースに所蔵データを登録します。これで、ある図書がどこの図書館で所蔵されているかが分かります。このデータベースはNACSIS WebcatとしてWWW上で公開されています。 次に本学の目録データベースに書誌情報や所在情報などの目録データを登録します。本学の図書館が所蔵する資料を瞬時に検索できるOPAC(蔵書検索システム)はこのデータベースを使用しています。
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<配架>
どんな図書が新しく入ったのかをみなさんに知っていただけるよう、図書を新着図書コーナーに約1週間展示します。また新着図書リストを作成し、掲示や配布等でもお知らせします。展示期間が過ぎた図書を請求記号の順に書架に配架します。この時点で図書はみなさんにお貸しできる状態になります。
次回は『雑誌の受け入れから製本まで』です。
本学の先生方からの寄贈資料(期間:'98年11月~'99年12月)
本学の先生方から、下記の通り貴重な資料のご寄贈を賜りました。厚くお礼申し上げます。
<図 書> | 小林靖雄学長 | 『中小企業信用保険公庫三十年史』 |
『日本伸鋼三十年史』 | ||
『釜石製鉄所90年史』 | ||
『日立製作所史』他25冊 | ||
高橋 清先生 | 『半導体工学』 | |
『電子物性』 | ||
『電気伝導の基礎と材料』他15冊 | ||
大山幸房先生 | 『音楽・映像著作権の研究』 | |
『著作権法令集 H9年度版』 | ||
北條宗男先生 | 『大学設置・評価の研究』 | |
『大学カレッジ自己点検ハンドブック』 | ||
益田昭彦先生 | 『実務家のための信頼性テキスト』 | |
『信頼性における確率紙のつかい方』 | ||
斉藤幸喜先生 | 『KUKINDSガイドブック』 | |
『Windows 3.1 情報処理』他4冊 | ||
橋口剛夫先生 | 『ゴルフ場再生への提言』 | |
『ゴルフ場会員権再生の条件』他1冊 | ||
『ゴルフ場会員権再生の条件』他1冊 | ||
<雑 誌> | 大山幸房先生 | 『Newsweek』 |
村上 雄先生 | 『ふぇらむ』 | |
『塑性と加工』 | ||
高橋 清先生 | 『IEEE Electron Devices Letters』 | |
『IEEE Spectrum』 | ||
『Sciences』 | ||
『Sensors and Actuators A』 | ||
『電子材料』 | ||
『M&E』 | ||
『Sensors and Materials』 | ||
谷口文朗先生 | 『The OECD Observer』 | |
『Direction of trade statistics quarterly』 | ||
『Direction of trade statistics yearbook』 | ||
『Government finance statistics yearbook』 | ||
『International financial statistics』 | ||
『International financial statistics yearbook』 |
「ワルシャワの街角で」
マネジメントシステム学科教授 宮津 隆
昨年9月、ポーランドでISO/TC69(統計的方法の適用)の会議が開催され、ワルシャワに滞在していたときの話である。 会議場のある新市街は高層ビルの建ち並ぶ近代的な町並みで、東京と変わらない風景なのだが、東京では絶対に見られない存在がそこにあった。10才位の少年,うら若い女性などが街の片隅に正座している。胸にポーランド語の札をもって、一言も発することなく、コインを空カンに入れてくれる人に丁寧に頭を下げるだけ。少年の一片の卑しさもない凛とした表情。私は胸が一杯になって、ありたけのコインを喜捨した。
ポーランドは悲痛な国である。ロシアとプロイセンのはざまで亡国の運命をたどり、国全体でギリシア正教からカソリックに改宗までして西欧にすがり、第1次大戦で独立できたものの、第2次大戦後はソ連圏に組み入れられて農業以外は制限されていたため、ソ連の崩壊後も見るべき産業は成長せず、国民の生活水準は西欧より著しく低い。あの少年たちにしてみれば、このような貧しさは自分たちの責任だけではない、東欧圏の運命なのだという悲痛な思いが、人間としての誇りを捨てていない、あの澄んだ瞳の理由なのだと思う。
私がショックを受けた今一つの理由は、時計の針が1946年の頃まで、50年以上戻ってしまったからである。あの頃、戦災孤児たちは米軍のジープに群がって米兵の投げるガムやチョコレートを奪い合っていたし、私たち京城大からの引き揚げ学生は、九大に転学したものの一文なしで、米軍キャンプの雑役や客車の消毒、サッカリンの製造、果ては売血まであらゆるバイトをして生きていた。先ず食べることが第1で、勉強は申し訳ないが第2だったのである。ワルシャワの街角にはそれがまだ残っていた。 ともあれ、今の飢えを知らない若い人たちは、現在の日本がいかにめぐまれているかを知って欲しいと思う。
Q 卒業しても図書館を利用することができますか?
A はい、閲覧は自由にできます。また、利用者登録をしていただければ図書の貸出が可能です。貸出冊数は5冊、貸出期間は14日間です。登録する際に身分を証明する物(運転免許証等)が必要となりますので、お持ちください。
・下記の期日は臨時休館します。
1月31日(月) 本学入学試験のため
2月 1日(火) 〃
3月21日(火) 卒業式のため
・学部卒業・大学院修了見込みの皆さんへ
図書の貸出最終日は2月26日(土)です。
返却最終日は3月4日(土)です。