帝京科学大学バイオテクノロジー研究センター Teikyo University of Science & Technology Bio Technology Research Center
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第2プロジェクト
  細胞シミュレーションプロジェクト 細胞レベルでのホメオスタシス 研究員/長谷川宏幸 松岡浩
  研究員/長谷川宏幸,松岡浩,沢辺恵子
 
 

細胞のホメオスタシスは、多くの酵素、基質、代謝産物などを要素として、動的に形成されている複雑系の現象です。遺伝子組み換えなどによる細胞の改変、培 養環境の変化など人為的な操作による細胞系への影響を正確に予測するには、変異の無い状態でのホメオスタシス機構についての把握が必要となります。細胞系 においては、多くのパラメータが複雑に絡み合っていますので、ホメオスタシス評価のためには、部分としてではなく全体としてのパラメータ評価が必要です。 「細胞シミュレーショングループ」では、この総体的把握のためのコンピュータシミュレーション技術の開発を行うことを最終的な目標とします。そのために は、ホメオスタシスに関わる代謝系を、センシングすることから始まり、モニタリング技術の開発、さらにその結果に応じてのモデリング、最終的には実際の系 へのアプリケーション技術、妥当なモデルに到達するまでのフィードバック機構、までの一連の作業が必要となってきます。本グループでは、下に示す3テーマ が設定されています。

1.動物細胞のエネルギー代謝シミュレーション
培養細胞による物質生産系を対象として、細胞内代謝ネットワークの動的な変化をコンピュータシミュレーション技術を用いて解析し、培養系の制御へ適用します。

ハイブリドーマ4-8Hにおけるグルコースとアミノ酸の代謝過程のシミュレーション。図中の数字は細胞あたりの代謝量を示しています。
 
 

2.テトラヒドロビオプテリンの吸収・輸送・排出長谷川・沢辺)
テトラヒドロビオプテリン(BH4と呼ぶ)は,体内で必要な量だけ合成される。ちょうど必要な量は,「ちょっと多め」に作って「余分な量を」厳密に捨てるのだろうか?いつも。腸(特に大腸)では大量に分解されているし,尿中へも排泄されて(捨てられて)いる。経口的に大量に飲むと,さっさと尿へ出てきてしまう。足りないから入れてあげても,「多すぎると感じて」捨ててしまう:本当は足りないひとでも。現在の研究を煎じ詰めれば,足りないのに捨ててしまう体を,なだめて,飲んだ分が捨てられないようにする研究である。

五臓六腑にしみわたる?
口から入った,BH4は小腸から全身にしみわたって,余分なものが尿へしみ出してくるのではありません。BH4など水に溶ける物質は,体を構成する細胞を,そのままでは通過しません。すべて,それぞれの細胞が,選別して取こみ,よけいな量だけ選別して排出します。
腸管から吸収して,全身に行き渡り,体の隅々から血液の流れに乗って,腎臓で選別される,その全体を,二つの方向から,つまりマクロな視点と,個別的なミクロの視点から,マウス・ラットによる動物実験,培養細胞の実験,組換えDNAによる実験を組み合わせて追求します。

※テトラヒドロビオプテリン・BH4 → コラム

 
 
 
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