2.テトラヒドロビオプテリンの吸収・輸送・排出(長谷川・沢辺)
テトラヒドロビオプテリン(BH4と呼ぶ)は,体内で必要な量だけ合成される。ちょうど必要な量は,「ちょっと多め」に作って「余分な量を」厳密に捨てるのだろうか?いつも。腸(特に大腸)では大量に分解されているし,尿中へも排泄されて(捨てられて)いる。経口的に大量に飲むと,さっさと尿へ出てきてしまう。足りないから入れてあげても,「多すぎると感じて」捨ててしまう:本当は足りないひとでも。現在の研究を煎じ詰めれば,足りないのに捨ててしまう体を,なだめて,飲んだ分が捨てられないようにする研究である。
五臓六腑にしみわたる?
口から入った,BH4は小腸から全身にしみわたって,余分なものが尿へしみ出してくるのではありません。BH4など水に溶ける物質は,体を構成する細胞を,そのままでは通過しません。すべて,それぞれの細胞が,選別して取こみ,よけいな量だけ選別して排出します。
腸管から吸収して,全身に行き渡り,体の隅々から血液の流れに乗って,腎臓で選別される,その全体を,二つの方向から,つまりマクロな視点と,個別的なミクロの視点から,マウス・ラットによる動物実験,培養細胞の実験,組換えDNAによる実験を組み合わせて追求します。
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