帝京科学大学バイオテクノロジー研究センター Teikyo University of Science & Technology Bio Technology Research Center
home
ご挨拶 交通アクセス 施設 プロジェクト メンバー 研究報告 コラム
第2プロジェクト
  細胞シミュレーションプロジェクト 細胞レベルでのホメオスタシス 研究員/長谷川宏幸 松岡浩
  研究員/熊倉稔,別府敏夫,東克己,平井俊朗,小川智史
 
 

環境汚染物質に対するホメオスタシス機構の応答を調べ、ホメオスタシスの破綻を個体から分子に至るレベルで究明します。そこから得られる知見をもとに生物 個体への環境汚染物質の影響を予測する新たな評価システムを検討し、生物機能を利用した汚染対策システムなどへの展開をめざします。

1.微生物の汚染物質耐性を利用したセンサーの開発
微生物を電極と組み合わせて構成した新規な毒物センサーを開発します。一般に微生物の呼吸活性は毒物によって阻害されますが、ある毒物濃度以下では逆に活性化します。毒物耐性遺伝子の発現や毒物排出のエネルギーを供給するため呼吸が活発化すると考えられます。この現象に着目して毒物の検出などに適用できる微生物素材を探索します。

2.魚類内分泌攪乱モデルを用いた汚染評価系の開発
これまで行ってきた魚類の精子、卵子形成に関する研究をもとに、昨今問題となっている環境ホルモンによる生殖障害について個体から分子レベルまでの研究を進めています。すでに環境ホルモン曝露により変動する遺伝子を単離しており、今後これらを指標とした影響評価系の開発へ展開します。

3.ウキクサの花性誘導を指標とした汚染評価系の開発
ウキクサに病害抵抗性誘起農薬類(Sas)を投与し花成誘導への有効性を探索します。また安息香酸によって複数のCa2+依存性タンパク質キナーゼ (CDPK) が発現されますが、花成と最も相関がよいCDPKを同定します。次に、花成誘導へ有効性を示したSasがCDPKを誘導するか否かを調べます。

4.植物を利用した水質浄化技術の開発
植物の水耕栽培によりこれまで研究されていない有機物性の染料、有機塩素化合物などの環境汚染物質の生体消化について植物生理代謝における生体ホメオタシス機能の観点から研究するとともに水質浄化技術に応用する研究を行います。現在、クレソンなどの水性植物が酸性染料を取り込み消化することが分かりました。

遺伝的にすべて雄(XY)の魚だけからなるコイ稚魚に環境ホルモンを添加した餌を与え、生殖腺の組織観察(左図)と遺伝子発現(右図)を観察しました。 通常餌を与えた群(対照群)では正常に精巣が形成され、精巣内に精子(点状に濃く染まっている部分)が充満しているのに対して、環境ホルモンを与えた群 (曝露群)では卵(濃く染まっている大型の細胞)が形成されます。両者の生殖腺における遺伝子の発現を網羅的に調べると、環境ホルモン曝露によって矢印で 示した遺伝子で挙動が変化することがわかります。
 
 
| プロジェクト構成図 | 第1プロジェクト | 第2プロジェクト |
| トップ | ご挨拶 | 交通アクセス | 施設 | プロジェクト | メンバー | 研究報告 | コラム | サイトマップ |
  COPYRIGHT(C)2007 BIOTECH RC ALL RIGHTS RESERVED.