帝京科学大学大学院未来材料研究センター

-- 研究概要 --
プロジェクト1
<高分子生化学材料>
「生体分子・粒子を制御する活性を通じて人間環境を改善する高分子生化学材料の合成」

 生体と環境に関連する高分子材料について、新規分野を開拓することを目的とするのが本プロジェクトである。近年、人間環境の変化からエイズ(後天性免疫不全症候群)のように、現代の医学では治療が困難といわれる病気が発生する傾向が見られる。これまで、糖鎖高分子の構造と機能の相関解析から、抗エイズウイルス活性を持つ硫酸化多糖の合成研究を進めてきた。本研究プロジェクトにおいては、エイズワクチンのような生理活性を持つ高分子集合体および糖鎖分子複合体を分子設計し、化学合成する。それらの候補のひとつとして、デンドリマー型エイズワクチンに注目している。これは,球状の糖鎖デンドリマーの表層に、エイズウイルスの抗原になり得る部分タンパク質を化学結合させたものである。部分タンパク質が抗体を作る機能を発現するように分子設計されたデンドリマーを用い、有効なエイズワクチンを作る。以上のような研究を通して酵素や細胞・ウイルスなどの生体分子・粒子を制御する機能を人工的に発現させる未来型生化学材料設計の糸口を見出す。
 近年様々な環境問題の原因となっている,石油系高分子材料に替わり得る可能性を持つ生物および微生物起源の高分子、並びに生分解性プラスチックの基礎的研究を行う。微生物によって作りだされるポリエステルやポリ乳酸また、生分解性を有する合成ポリエステルなどのリサイクル可能な高分子につき、それらの構造や共重合組成と耐候性や生分解性との相関を調べる。このことにより,将来の人間環境ならびに資源と調和できる高分子に関する知見を得る。
 世界の砂漠地帯は拡大の一途をたどり,食料の減産につながる重要な問題になっている。そこで砂漠緑地化の一環として,フィルムあるいはシート状の高分子材料を砂漠の地下に埋設し、不透水層の役割を担わせることによって、フィルム上部の地層を耕地化することを研究する。そのためには砂漠緑化用フィルム材料とシステムの開発が重要である。埋設されるフィルムは大面積,高強度でありかつ、太陽光に対する耐久性を保有することが要求される。さらに,地下における微生物分解に対しても耐久性を持つ必要がある。また,土中の水分の保持力を高める機能を持つ高吸水性樹脂についても研究する。


プロジェクト1 メンバー

瓜生敏之教授
(プロジェクトリーダー)

中條利一郎教授

林剛教授

村上雄教授

釘田強志講師


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