帝京科学大学大学院未来材料研究センター

-- 研究概要 --
プロジェクト3
<半導体薄膜材料>
「省エネルギー高効率の光電変換半導体薄膜材料の研究開発」

 半導体素子を使えば電気を光に変えたり(発光素子)、光を電気に変えたり(太陽電池)することが出来る。本プロジェクトでは、青色や緑色の短い波長で発光する発光素子の実現を目指してGaNやZnOの薄膜と、高効率で信頼性の高い太陽電池の開発に向けて多結晶Si薄膜の研究を行う。これらの半導体薄膜を用いて特性の良い半導体素子が出来た場合には、情報の超高密度記録や電球に換わる白色光源の実現が可能になり、また太陽エネルギーの有効な利用により省資源化が可能となる。
 GaNでは、これまで六方晶の結晶が研究され、短波長の発光ダイオードや半導体レーザが実現された。GaNには立方晶の結晶もあり、結晶成長の困難さのためにこれまであまり研究されて来なかった。立方晶のGaNは六方晶に比べより優れた電気的光学的特性を持っていると期待され、また廉価な基板に成長が可能である。そこで本プロジェクトでは、まず高品質な立方晶のGaN薄膜の成長方法を確立し、次にその基礎物性を明らかにした上で、半導体レーザ等への発光素子の応用を目指している。
 ZnOは広いバンドギャップ(Eg=3.37eV)を持ち、また非常に大きな励起子結合エネルギー(Eex=60meV)を有することからGaNを凌ぐ短波長発光材料として期待される。しかしながら、ZnOの半導体としての薄膜の成長方法はまだ確立しておらず、特にp型のZnOの成長が困難であり実現していない。我々は有機金属を原料とする気相の原子層成長法により、まずZnOの成長方法を確立し、さらにドーピング手法の検討によりp型ZnOを形成し、より高性能の短波長発光素子の実現を図る予定である。
 太陽電池用のSi薄膜としてはこれまで非晶質のSi薄膜が研究されてきた。しかし、非晶質Siの太陽電池には効率と信頼性に問題があった。そこで本プロジェクトでは、非晶質Si薄膜を光強度に特殊な勾配をつけたエキシマーレーザ光で照射し、巨大グレインを持つ多結晶Si薄膜を廉価なガラスやプラスチックの基板上に成長させ、より高効率で信頼性の高い太陽電池を実現することを目的とする。


プロジェクト3 メンバー

石田宏一教授
(プロジェクトリーダー)

木暮嘉明教授

内田恭敬助教授

木村龍平助教授

斉藤幸喜講師


Copyright (C) 2000 Future materials RC All rights reserved.
[未来材料研究センター]     [環境マテリアル学科] [メディアサイエンス学科]