TEIKAジャーナル

【作業療法学科】現在の生活を作業療法的に考えてみる

2020/09/15

作業療法学科の澤田です。
先日のwebオープンキャンパスで、「道具の工夫でその人らしい生活を目指す作業療法」というタイトルでまなびのタイムを担当させていただきました。
今回は、その一部を紹介したいと思います。

大学の後期の授業は、学生が登校する対面授業と、オンラインで行う非対面授業を織り交ぜた形になることが決まっています。
今年の初めには、想像もしていなかったことですね。
今年前半は、コロナウイルス感染症の影響で、大学生活だけでなく、生活全般において、今までのように行えなくなりました。
私たちは、病気やケガをしたわけではありませんが、作業療法士が担当する患者さんと同じように、突然今までの生活が送れなくなったわけです。

しかし、今はどうでしょうか。
ソーシャルディスタンスを保ったり、マスクをしたりして、小中高の学校の授業は再開していますし、テレビではアクリル板を隔ててトークをしている風景がだんだんと普通になってきました。

作業療法では、人が何かをすることを「作業遂行」といい、それには「人」「環境」「作業」の3つが関与すると考えます。
ですから、テレビ番組では、アクリル板という「環境」を加えることで、「作業遂行」ができるようにしていると考えられます。
また、おそらくテレビに映っていないところではすぐにマスクをつけるのではないでしょうか。つまり、「マスクをつける」という新たな作業が加わっているのです。
さらに、番組を作るスタッフは「換気をする」という「作業」が加わったでしょうし、換気をするために、「窓のある部屋で行う」ということで「環境」も変わっているかもしれません。
自然とソーシャルディスタンスを保ったり、マスクをつけたりするということがだんだんと普通の生活になっているということは、その人の習慣や価値観が変化しているので、「人」も変わっているととらえることができます。

政府は、「新しい生活様式」という言葉を使っていますが、私たちは、自分らしい生活が送れるように、日々工夫をしながら過ごしています。
私たちは、コロナウイルス感染症によって変化したことに対し、自ら「作業療法」をしてもとに戻そうとしているともとらえることができます。
作業療法士は、病気やケガなどで、自分だけでは自分らしい生活を手に入れられないとき、言い換えると、自ら「作業療法」ができないとき、患者さんと一緒に自分らしい生活ができるように手助けするのです。
 
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