TEIKAジャーナル

【🍀こども学科 2022ニュース no.4🍀】保育の環境についての一考

2022/04/22

こども学科の木村龍平です。


 こども学科では正規の各実習の他に、いくつかの演習科目で学外保育体験活動を行なっています。
活動では大学が立地する上野原市内のこども園、幼稚園、保育所で半日、子ども達と過ごしてみて、
保育の現場感覚を感じ取ってきてもらい、あらためて資格取得へ向けた気持ちを高めてもらうことを
目的にしています。


 こども学科は平成20年に東京西キャンパス(上野原市)に開設されました。
上野原市は南北に市域が広がり、甲州街道沿いの市街地以外の多くは中山間地域です。
学科がはじまった当初は市内には8ヶ所の保育所があり、そのうちの4ヶ所は僻地保育所といって、
中山間地域に所在し、保育時間は午後3時まで、園児数は多くて10人前後、保育士は3人前後という規模でした。


当学科の体験活動では、このような保育所にも学生を派遣して保育体験を行なってきましたが、
現在はほとんどの保育所(市立幼稚園1ヶ所を含めて)は2つの大規模こども園(定員各100/200人)に
統合されました。
新しいこども園は園舎が広々とし、充実した設備が整い、大きなホールや給食設備、そして太陽光発電設備
も備わり素晴らしい環境ですが、私には山間地にあった小さな僻地保育所の保育環境が忘れられません。


そこには市街地にある園とは異なる「今日は何しようかなあ」という感じのゆっくりとした時間が流れており、
あまり時計を意識していない空間と時間がありました。
今の季節は園庭に大きなカエルがのそのそと歩いていたり、耳をすませは渓流のせせらぎやウグイスの
さえずりが聞こえます。園の隣の畑は菜の花が満開です。雨が降れば霧がかかってきます。
夏になるとセミの鳴き声が間近に聞こえ、夕方になるとひぐらしが聞こえます。
カブトムシやクワガタがすぐに取れ、秋には秋虫の鳴き声を聞きながら午睡をとります。
山間地の保育所はこのような豊かな自然に囲まれていました。
お昼はお弁当で近所の方が畑で採れた野菜や山菜で作ったお惣菜を差し入れてくれることもあり、
学生も一緒に食事をしたものです。


活動ではこうした園と大規模園を2ヶ所体験できるようにしていましたので、活動を通して、
学生達はきっと保育の本質を感じ取ってくれたのではないかと思います。


現在のこども園には、当時、保育所でお世話になった先生方が大勢いらっしゃいます。
きっと当時の保育経験やスキルを活かした御指導を日々、今日も実践されていると思います。
そのため、散歩で畑に行ったり、虫取りに行ったり、園庭で野菜を育てたりして、
学生もそのお手伝いをします。
授業ではこのような活動を行なった後には、必ず振り返りのレポートを提出してもらっていますが、
それらを読んでいると、ふと、どちらの環境が子ども達にとって、そして学生の学びにとって、
より良いのだろうと考えたりもします。


そんなことも考えながら、前期が始まった今の時期は体験活動の準備で、市内のこども園、幼稚園、
そして現在は小学校にも行き、どのような体験活動(小学校は参与観察活動)を行うかを担当の先生と
打ち合わせている毎日です。

豊かな自然、命の大切さを学びのキャッチフレーズにした東京西キャンパス。
きっと体験活動で確かな何かを掴んでくれるのではないかと思います。





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