下岡 ゆき子
役職:准教授・博士(理学)
主な研究と活動
コロンビアやエクアドルなどアマゾン熱帯林に生息している野生のクモザル、金華山や屋久島の野生ニホンザルを対象に、社会構造や音声コミュニケーション、宥和行動の研究をしています。霊長類の社会のあり方、社会交渉のパターンは、種によっても地域によっても様々です。クモザルはオスが一生を生れた群れで過ごし、メスは思春期になると他の群れへ移籍する父系の群れを作りますが、ニホンザルはメスが一生を生れた群れで過ごし、オスは思春期になると他の群れへ移籍する母系の群れを作ります。クモザルとニホンザルではオス同士の関係、メス同士の関係に大きな違いがみられます。また、ニホンザルはコンパクトにまとまって移動する群れを作りますが、クモザルは群れの行動域の中に個体がバラバラと分散する離合集散が他の群れを作ります。多様な社会構造を定量化し、客観的に比較することによって、社会構造や社会交渉がどんなふうに進化してきたのか、その生態的背景を考えたいと思っています。
キーワード | 社会構造、離合集散、仲直り行動、音声 |
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専門分野 | 霊長類社会生態学、行動学 |
主な研究対象 | ニホンザル、クモザル |
主な研究課題 |
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学位 | 2003年 3月 博士(理学、京都大学) |
卒業年月 |
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学歴・経歴
- 2003年 4月 京都大学 講師(非常勤研究員)
- 2005年 4月 京都大学大学院 理学研究科 教務補佐員
- 2005年 7月 京都大学大学院 理学研究科 非常勤研究員(21COE)
- 2007年 4月 京都大学大学院 理学研究科 教務補佐員
- 2007年11月 京都大学大学院 理学研究科 非常勤研究員(GCOE)
- 2005年 4月 龍谷大学 非常勤講師
- 2006年 4月 龍谷大学 非常勤講師
- 2008年 4月 帝京科学大学 生命環境学部 環境科学科(現・自然環境学科) 講師
- 2015年 4月 現職
主な著書
1. 下岡ゆき子(2023) "中南米霊長類の野外研究史” 『霊長類学の百科事典』日本霊長類学会(編)、丸善出版、項目1-8、 20-21ページ
2. 下岡ゆき子(2023) "離合集散” 『霊長類学の百科事典』日本霊長類学会(編)、丸善出版、項目8-22、 474-475ページ
3. 下岡ゆき子 "社会性を育む群れ社会: ハグで仲直りするニホンザル、 挨拶をするクモザル (特集 霊長類学の最前線)" 現代思想 4422 (2016): 136-149
4. 杉浦秀樹・下岡ゆき子(2007) 霊長類の群れのかたち『霊長類進化の科学』京都大学霊長類研究所(編)、京都大学学術出版会、 91~102ページ
5. 下岡ゆき子(2002) クモザルの暮らす森―南米のフィールドから- 『フィールドノートの余白-アフリカを歩く-』加納隆至、黒田末寿、橋本千絵(編)以文社、 49~65ページ
6. 下岡ゆき子 「アマゾンにサルを追う(1):森の中、サルの行く先どこまでも」現代化学2020年4月号p64-65東京化学同人
7. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(2):サルを慣らし、顔を覚える」現代化学2020年5月号p64-65東京化学同人
8. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(3):クモザルの社会:シナモンとその子供たち」現代化学2020年6月号p60-61東京化学同人
9. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(4):父系社会に生きるクモザルのオスたち」現代化学2020年7月号p50-51東京化学同人
10. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(5): クモザルのワンオペ育児とメスたちのフレキシブルな関係」現代化学2020年8月号p64-65東京化学同人
11. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(6) クモザルのメスの思春期:群れを出て別の群れに入る」現代化学2020年9月号p60-61東京化学同人
12. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(7):クモザルの食卓はフルーティー」現代化学2020年11月号p64-65東京化学同人
13. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(8):クモザルの変わった食べ物」現代化学2020年12月号p60-61東京化学同人
14. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(9):一つの森に暮らす、さまざまな霊長類」現代化学2021年1月号p52-53東京化学同人
15. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(10):クモザルの音声コミュニケーション」現代化学2021年2月号p62-63東京化学同人
16. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(11):クモザルの非言語コミュニケーション」現代化学2021年3月号p68-69東京化学同人
17. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(12):クモザルと捕食者」現代化学2021年4月号p60-61東京化学同人
18. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(13):クモザルは観察者のことをどう思っているのか?」現代化学現代化学2021年5月号p48-49東京化学同人
2. 下岡ゆき子(2023) "離合集散” 『霊長類学の百科事典』日本霊長類学会(編)、丸善出版、項目8-22、 474-475ページ
3. 下岡ゆき子 "社会性を育む群れ社会: ハグで仲直りするニホンザル、 挨拶をするクモザル (特集 霊長類学の最前線)" 現代思想 4422 (2016): 136-149
4. 杉浦秀樹・下岡ゆき子(2007) 霊長類の群れのかたち『霊長類進化の科学』京都大学霊長類研究所(編)、京都大学学術出版会、 91~102ページ
5. 下岡ゆき子(2002) クモザルの暮らす森―南米のフィールドから- 『フィールドノートの余白-アフリカを歩く-』加納隆至、黒田末寿、橋本千絵(編)以文社、 49~65ページ
6. 下岡ゆき子 「アマゾンにサルを追う(1):森の中、サルの行く先どこまでも」現代化学2020年4月号p64-65東京化学同人
7. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(2):サルを慣らし、顔を覚える」現代化学2020年5月号p64-65東京化学同人
8. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(3):クモザルの社会:シナモンとその子供たち」現代化学2020年6月号p60-61東京化学同人
9. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(4):父系社会に生きるクモザルのオスたち」現代化学2020年7月号p50-51東京化学同人
10. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(5): クモザルのワンオペ育児とメスたちのフレキシブルな関係」現代化学2020年8月号p64-65東京化学同人
11. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(6) クモザルのメスの思春期:群れを出て別の群れに入る」現代化学2020年9月号p60-61東京化学同人
12. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(7):クモザルの食卓はフルーティー」現代化学2020年11月号p64-65東京化学同人
13. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(8):クモザルの変わった食べ物」現代化学2020年12月号p60-61東京化学同人
14. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(9):一つの森に暮らす、さまざまな霊長類」現代化学2021年1月号p52-53東京化学同人
15. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(10):クモザルの音声コミュニケーション」現代化学2021年2月号p62-63東京化学同人
16. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(11):クモザルの非言語コミュニケーション」現代化学2021年3月号p68-69東京化学同人
17. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(12):クモザルと捕食者」現代化学2021年4月号p60-61東京化学同人
18. 下岡ゆき子「アマゾンにサルを追う(13):クモザルは観察者のことをどう思っているのか?」現代化学現代化学2021年5月号p48-49東京化学同人
主な論文
- 灰野巴瑠、 井上英治、 下岡ゆき子 "ニホンテンの非侵襲的な糞由来 DNA による個体識別を用いた個体数・行動域推定と縄張り行動について" 帝京科学大学紀要 16 (2020): 25-32
- 箕輪篤志、 下岡ゆき子、 高槻成紀 "山梨県東部のテンの食性の季節変化と占有率-順位曲線による表現の試み" 哺乳類科学 571 (2017): 1-8
- 高橋康太、 下岡ゆき子、 篠原正典 "ニホンアマガエルの体サイズと広告音の関係" 帝京科学大学紀要 12 (2016): 25-28
- 三橋萌樹、 下岡ゆき子 "野生アメリカザリガニの胃石およびキチン質基質の所持とその季節性" 帝京科学大学紀要 11 (2015): 11-15
- Nakagawa, Naofumi, Miki Matsubara, Yukiko Shimooka, Mari Nishikawa "Embracing in a wild group of Yakushima macaques (Macaca fuscata yakui) as an example of social customs" Current Anthropology 561 (2015): 104-120
- Shimooka, Yukiko, and Naofumi Nakagawa "Functions of an unreported “rocking-embrace” gesture between female Japanese Macaques (Macaca fuscata) in Kinkazan Island, Japan" Primates 552 (2014): 327-335
- 内山未来, 後藤渉, and 下岡ゆき子 "甲府市善光寺における野生フクロウの食性" 帝京科学大学紀要 10 (2014): 31-36
- Y Shimooka & N Nakagawa(2014) Functions of an unreported “rocking-embrace” gesture between female Japanese Macaques (Macaca fuscata) in Kinkazan Island, Japan Primates 55 (2), 327-335
- H Sugiura, Y Shimooka, Y Tsuji(2014) Japanese Macaques Depend not Only on Neighbours but also on More Distant Members for Group Cohesion Ethology 120 (1), 21-31
- J Yamagiwa, Y Shimooka, DS Sprague(2014) Life History Tactics in Monkeys and Apes: Focus on Female-Dispersal Species Primates and Cetaceans, 173-206, Springer
- H Sugiura, Y Shimooka, Y Tsuji(2011) Variation in spatial cohesiveness in a group of Japanese macaques (Macaca fuscata) International Journal of Primatology, Volume 32, Issue 6, pp 1348-1366 2011
- H Koda, Y Shimooka, H Sugiura (2008) Effects of caller activity and habitat visibility on contact call rate of wild Japanese macaques (Macaca fuscata) American journal of Primatology, Volume 70, Issue 11, pp1055–1063
- Shimooka, Y, Campbell, C, DiFiore, A, Felton, A, Izawa, K, Link, A, Nishimura, A, Ramos-Fernandez, G, Wallace, R(2008) Demography and group composition of spider monkeys “Spider Monkeys: The Biology, Behavior and Ecology of the Genus Ateles” p329-350 Campbell C ed Cambridge University Press
- Shimooka Y (2005) Sexual Differences in Ranging of Ateles belzebuth belzebuth at La Macarena, Colombia Shimooka, Y Inter J Primatol vol 26 (2): 385-406
- Shimoka Y (2003)Seasonal Variation in Association Patterns of Wild Spider Monkeys (Ateles belzebuth belzebuth) at La Macarena, Colombia Shimooka, Y Primates vol44: 83-90
- 山極寿一、下岡ゆき子(2002) 霊長類の日遊動距離と遊動域の推定 熱帯林の霊長類研究のためのハンドブック第10章 熱帯林研究会・編 霊長類研究vol18(3):326-333、 2002
- 下岡ゆき子 (2003) チンパンジーとクモザルにみる父系社会 特集・文化と社会性の起源ー進化の隣人に探るエコソフィアvol12 p41-48 昭和堂
所属学会等
- 日本霊長類学会
- 国際霊長類学会
- 日本哺乳類学会
その他の活動
- 英文学術雑誌 "Primates" advisory board 2015年〜現在
- 日本霊長類学会 渉外理事 第18期(2023年7月〜現在)
- 日本霊長類学会 渉外理事 第15期〜第16期(2017年7月〜2021年7月)
- 日本霊長類学会 代議員 第16期〜第18期(2019年7月〜現在)
- 日本霊長類学会 評議員 第12期〜第15期(2012年7月〜2019年6月)
- 日本霊長類学会 渉外幹事 第13期〜第14期(2011年7月〜2017年6月)
- 日本霊長類学会 会計監査 2009年7月~2011年9月
- 京都大学霊長類研究所 運営委員(2019年4月〜2021年3月)