長谷川教授のバックグランドは理学部生物(動物発生学),そのあと,生化学,医化学を修めて,動物培養細胞と,実験動物へ回帰。生き物を扱う技と,分子生物学,生化学,生理学の知識が渾然とネットワークを作る 。大学院の頃から一貫してテトラヒドロビオプテリンとその化学,生物学,医学を対象としてきた。
テトラヒドロビオプテリンは,気分や,やる気,快感を司るセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の生合成と,主な生活習慣病の病態,血管の調節とその障害にもっとも深い関わりを持つ一酸化窒素(NO)の生体内での生合成になくてはならない補酵素です。
現在は,テトラヒドロビオプテリンの輸送の問題と取り組んでいます。組換えDNA技術で,輸送体タンパク質の遺伝子を組み上げ,アフリカツメガエル(写真)の卵母細胞に注射,あるいは培養細胞に遺伝子導入(写真)して,細胞膜を通過する機構か解析,マウスやラット(写真)で実際の消化管吸収や,体内分布,尿への排泄を解析します。実験技法のレパートリーの広いことと,その組み合わせの絶妙さが自慢です。世界のこの分野の研究をリードしています。 |