帝京科学大学バイオテクノロジー研究センター Teikyo University of Science & Technology Bio Technology Research Center
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1.気孔の開閉運動のメカニズムの解明に関する研究

 

 植物の葉の表面には気孔があり、大気中の二酸化炭素を吸収し、根から吸収した水を水蒸気として大気中に放出する、いわゆるガス交換を行っています。いずれも植物が生きていくためだけでなく、地球の生態系を維持し、動物や微生物が生きていくための基盤を作るのに重要な機能です。
気孔は光が当たると開き、暗くなると閉じますが、乾燥や大気汚染に曝されると閉じて植物の身を守るといった環境応答を示します。このような気孔の開閉運動の仕組みを解明するための研究を行っています。
気孔開閉の仕組みとして気孔を構成している一対の孔辺細胞の浸透圧調節が知られていますが、詳細なメカニズムはまだ解明されていません。一方、孔辺細胞の表層微小管が気孔開閉に重要な役割を果たしていることを見いだし、そのメカニズムの解明を目指した研究を行っています。
最近は特に、植物ホルモンのエチレンの役割に注目して研究を行っています。



 
孔辺細胞の表層微小管
 

2.大気汚染に対する植物の反応に関する研究

 

 大気汚染は古くから公害問題として扱われてきました。現在では大気汚染は広域化し、国境を越えた酸性雨問題、光化学オキシダント汚染にまで発展しています。特に自動車の排ガスなどに含まれる窒素酸化物と炭化水素に紫外線が当たって生成する光化学オキシダントによる汚染は世界的に激しくなっていて、世界各地で見られる森林衰退の大きな要因になっていると考えられています。光化学オキシダントの主成分はオゾンですが、ペルオキシアセチルナイトレート(PANと省略されます。)は植物に高い毒性をもつことが知られています。現在、このPANの影響についてペチュニアを用いて調べています。
また、近年、大気中の二酸化炭素などが増加して、地球が温暖化することが社会的・国際的な問題になっています。一方で、二酸化炭素そのものが植物に影響を与えます。高濃度の二酸化炭素が植物にどのような影響を与えるかについても研究しています。

 


PANに感受性が高いペチュニア(バカラホワイト)
 

3.紫外線UV-Bに対する植物の反応に関する研究

 

 地上に到達する太陽光に含まれる紫外線UV-Bは、植物を初めとするあらゆる生物に害作用を示します。特に遺伝情報を担っているDNAに対する影響は大きな問題です。生物は紫外線によってDNAが損傷を受けますが、損傷を修復する機構を備えているため、太陽光のもとでも生育することができます。しかし、成層圏オゾンが破壊されて紫外線が増加すると生物への悪影響も増大する可能性があります。多くの生物はDNA損傷を効率的に修復する「光回復」と呼ばれる修復機構を備えています(ヒトにはこの機能はありません)。光回復は「光回復酵素」によって行われますが、植物の光回復酵素遺伝子は光照射下で発現が促進されることが明らかになりました。植物は紫外線に対する防御機構を備えているとともに、紫外線が当たる環境下ではさらにその機能を強化する仕組みを備えているのです。現在、主に植物の紫外線防御機構について研究しています。

 


UV-Bによるキュウリ第一本葉の障害(右)
 
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