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第158回「花」(2016.3)

教授 本多 みどり

教授 本多 みどり

  「子どもは種である。」小さな種の中に、いつか大木となり多くの実をつけるすべての可能性が秘められている。 お葬式に参列した後、しばらくして送られてきた小さな本に、そう書かれていた。1998年2月。とても寒い日、教会の白い部屋、棺を囲む白い花々。棺の扉は固く閉ざされており、私はその方のお顔をついに見ることがなかった。その方とは、私の指導教官の指導教官であった方、荘司雅子先生である。荘司先・・・

第157回「過去・現在・未来①」(2016.3)

講師  平野 英史

講師  平野 英史

  今回のエッセイは、自分の過去のことを綴ります。その理由は、自分自身が高校生や大学生の頃に進路を決めるために様々な生き方を知りたいと考えたことがあったからです。わたしは、大学で図工を教えています。それは絵画や彫刻、デザインや工芸、芸術学や美学ではなく図工です。このことを自分の職業としようと決めるまでにはそれなりに長い時間が必要でした。その道のりを、年代とそのころに好きだった(または頑張・・・

第156回「専門外のしったかぶりにご用心」(2016.2)

特任助教 田口 直子

特任助教 田口 直子

    ホイクエンオチタ、ニホンシネとか、ベビーカーで国会を包囲するとか、世の中不穏なのか、前進しているのか。ともあれ人間は自分の置かれた立場から考えがちなもの。私の周囲はすっかりこどもが大きくなりはじめ、どちらかというと学生の就職を考えるため、この空前の保育士不足は、バブル期以来の保育士就職薔薇色期…ないしは、処遇改善のチャンスにも映ったりもするわけで&hell・・・

第155回「運動の多様性練習」(2016.2)

講師 杉本 信

講師 杉本 信

  運動の練習をするとき、同じ運動を何度も繰り返して(反復して)練習する方法を一定練習とか恒常練習といいます。例えば、バスケットボールのシュート練習をする際、同じ角度、同じ距離から何十本、何百本と反復して練習する場合です。それに対して、同じ運動を繰り返さず、いろいろな角度や距離から練習する方法を多様性練習とか変動練習といいます。例えば、バスケットボールのシュート練習をする際、いろいろな角・・・

第154回「形となり実となる年に...」(2016.1)

准教授 林 友子

准教授 林 友子

  2016年、新しい年を迎えました。   今年は、申年(さるどし)。中でも「丙申(ひのえさる)」と言うのだそうです。「丙午(ひのえうま)」は、その迷信からよく知られるところですが、「丙申」という言葉は初めて耳にしました。なんでも、「十二支」と「十干」(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)を組み合わせると、干支は60種類あるとのこと。つまり60年で干支を一巡することになり、・・・

第153回「激しい変化の中で生き残る職業とは」(2016.1)

教授 上田 玲子

教授 上田 玲子

  先日、スマホを研究室に置き忘れて大学本館へ。電話をかけなくてはならない用事を思い出し急いで公衆電話を探したのですがどうしても見つかりません。困り果てて守衛さんに尋ねると「公衆電話は館内にはないですね~。」   その回答にカルチャーショックを受けた私でした。   そういえば私自身も公衆電話を何年も使っていなかったなあ。     “公衆・・・

第152回「山口薫先生と中国特殊教育」(2015.12)

准教授 呂 暁彤

准教授 呂 暁彤

  2015年11月15日、母校東京学芸大学で名誉教授の山口薫先生を偲ぶ会が開かれました。多くの方が参加され、山口薫先生の日本特別支援教育への貢献を偲んでいました。   2001年9月、上京したばかりの私は、香川大学で開催される第39回日本特殊教育学会に参加するために、初めての四国に出かけました。着陸時間が近づき、少し不安を感じ、隣席の方に色々と確認していました。そして、着陸し・・・

第151回「子どもへの動物愛護教育;千葉県動物愛護セミナーでの講演から考えたこと」(2015.12)

准教授 濱野佐代子

准教授 濱野佐代子

  千葉県が主催する「千葉県動物愛護セミナー」が、平成27年11月に開催されました。私は、講師として招いて頂き、「子どもへの動物飼育・福祉教育と動物が子どもの発達に与える影響」について話しました。日本のペット飼育の現状から始まり、ライフサイクルとペット、家庭でペットを飼う際の心構えや適性、動物の福祉、動物虐待、人獣共通感染症(脊椎動物から人へ、また人から脊椎動物に感染する病気)、動物飼育・・・

第150回「師走に思う」(2015.12)

教授  河崎 雅人

教授  河崎 雅人

  2015年ももうすぐ終わろうとしています。早いもので21世紀に入って15年も過ぎました。21世紀を目前にした1990年代後半には、コンピュータの2000年問題や2000年代を何と呼べばよいか(The Oと呼ぼうという意見もありました)などについて語られたことも、今となってはなんとなく懐かしさを感じます。   21世紀に入ってからの大きな変化は、インターネットという情報通信網・・・

第149回「電車の中で」(2015.11)

教授 赤羽根 直樹

教授 赤羽根 直樹

  つくばから秋葉原へ向かう電車の中は、ほぼ満席であった。ある駅で二人の子ども連れの親子が乗った。対面式の座席は、真ん中の通路を挟んで右側に二席と左側に一席の三席が空いていたが、もちろん四人の親子が一緒に座ることはできなかった。   まず、母親と小学校一年生ぐらいの娘が通路を挟んで右と左に分かれて座った。父親は、娘の前に空いている残りの席に四歳ぐらいの息子を座らせ、自分は立って・・・

第148回「保育・教職実践演習(幼稚園)」(2015.10)

准教授 旦 直子

准教授 旦 直子

  児童教育学科幼稚園教諭・保育士コースでは、後期になると「保育・教職実践演習(幼稚園)」という授業が開講されます。この授業は、幼稚園教諭や保育士になるための専門の勉強や実習を終えた4年生向けのもので、それぞれの免許を取得するためには必ずこの単位を修得しなければなりません。いわば先生になるための総仕上げといったところでしょうか。今年の授業も現時点ですでに何回目かを終え、先日は私も「幼児理・・・

第147回「人それぞれの生きる道」(2015.10)

准教授 神谷 純子

准教授 神谷 純子

  本学に着任する前の教え子が、今でも時折連絡してきます。今、20代半ばの和真くんもそのひとりです。教職課程の講義で週に何度か顔を合わせていた彼は、1年の後半から次第に大学で姿を見なくなりました。2年に進級する前の春、「相談したいことがある」とメールが届いて話を聞いたときには、すでに退学を決めた後でした。アルバイトをしながら好きなウィンタースポーツに時間をかけたいと語り、なんの心残りも感・・・

第146回「しあわせにんじん」(2015.9)

講師 富岡 麻由子

講師 富岡 麻由子

  保育園の玄関を入り、子どもたちのいる保育室の方に歩いて行くと、廊下の途中にその日子どもたちが食べた給食が展示してあります。乳児の離乳食、幼児食、おやつ、補食などが置いてあり、子どもと迎えに来た保護者が、展示ケースの前で話をしている光景をよく目にします。給食を指差しながら、おやつの手作りパンがおいしかったこと、栄養士の先生が説明してくれたことを教えてくれる子どももいます。今日はお魚だっ・・・

第145回「師・士・司の使い分け」(2015.9)

准教授 石橋 裕子

准教授 石橋 裕子

  去る9月9日に、心理職の国家資格を規定した「公認心理師法」」が成立し、早ければ平成30年に、国家資格を持つ初めての心理職が誕生することになりました。   ところで、日本にはさまざまな免許や資格があり、それらの多くは「~師」「~士」「~司」と呼ばれています。児童教育学科では、小学校・幼稚園教諭コースでは小学校・幼稚園教諭免許状を、幼稚園教諭・保育士資格コースでは幼稚園教諭免許・・・

第144回「国境がつくるもの」(2015.8)

学長補佐・図書館長・教務部長・教授 永沼 充

学長補佐・図書館長・教務部長・教授 永沼 充

  第二次世界大戦以来といわれる難民移動のニュースが世界中を駆けめぐっている。どこにでも行けることは基本的な自由の一つだと思うが、自ら造った国境という壁がこれを阻んでいる。日本は四方を海に囲まれているので国境について深く考えることはあまりない。尖閣諸島などの問題に対しては国境というよりも中国との対立という観点からとらえている。今回のようにボートに乗った大勢の難民が浜辺に上陸するというよう・・・

第143回「セミの抜け殻調査」(2015.8)

准教授 木場 有紀

准教授 木場 有紀

  蝉しぐれも終盤を迎え、夕暮れにヒグラシの鳴き声が響くようになりました。ヒグラシの鳴き声は晩夏の象徴であり、秋の季語ですが、薄暗い時に鳴く習性があるため、朝方にもその声を聴くことができます。夏休みに遊びに行った祖母の家での思い出です。   なじみ深いセミの声ですが、「実はヒグラシは7月からずっと鳴いている」ということを最近知りました。子どもの頃の「夏休みが終わってしまう」とい・・・

第142回「 「うみ」への想い 」(2015.7)

准教授 飯泉 祐美子

准教授 飯泉 祐美子

  「夏」という言葉から連想するもののひとつに「海」が挙げられます。   今日では、「海」いえばお楽しみスポット、友人、家族などと夏のレジャーで訪れる場所のひとつです。   波に乗って遊んだり、ビーチで遊んだり・・・、時にはわざわざ「海」じゃなくてもと思うような遊びをしたり・・・。   今や「海」を訪れる人々の目的が、「海やビーチを利用して、楽しく過ごす」と・・・

第141回「頭が良いから合格するのではなく 努力したから合格するのです」(2015.7)

教授 小池 守

教授 小池 守

  教員採用試験の季節になり、学生から不安の声を毎日のように聞く。そんなとき、私はいつでも同じ言葉を繰り返す。「頭が良いから合格するのではなく、努力したから合格する。」 不思議なことに、努力の跡は、本人は分からないが、傍から見るとよく分かる。努力という勲章は、言葉に出さなくても、見せびらかさなくとも、周りの人は感じることができる。そのため、時には嫉妬という、少しやっかいな問題が生じること・・・

第140回「絵が嫌いということ」から(2015.6)

講師 平野 英史

講師 平野 英史

  図工の授業をしていると、「絵を描くことが嫌い」という学生が多いことに気がつきます。そして、「写実的に描くことが苦手」であるということが一番多い理由のようです。この原因には、いろいろなことが関連していると思いますが、小学校などで、写実的に絵を描く方法を、本人が必要だと感じる時に学べなかったということをあげることができます。     人は、生まれてから死ぬまでいろいろ・・・

第139回 「千寿ことはじめ」(2015.6)

教授 本多 みどり

教授 本多 みどり

  行(ゆく)春や鳥啼(なき)魚の目は泪(なみだ)(松尾芭蕉)     この句は、松尾芭蕉が門人、曽(そ)良(ら)を伴ってはるばる東北・北陸地方へと旅立つにあたって詠んだ「矢立初め」の句である。門人たちと別れを惜しむ芭蕉の姿がありありと蘇ってくる。句が詠まれたのは、日光街道の起点である千寿(せんじゅ)(現在の千住)において、時は元禄2年(1689年)3月27日のことで・・・

第138回「集中力を高める?」(2015.5)

講師 杉本 信

講師 杉本 信

  よく集中力という言葉を使いますが、集中力とは何でしょうか。集中力とはある物事に意識や注意を持続できる力(広辞苑)のことをいいます。この集中力には、心理学的に二つの意味があります。一つは、注意散漫にならず注意を物事に向けることができる力です。二つ目は、やる気(意欲)に関連します。人は物事に集中している時、ワクワクするとか気持ちが入っているとか一心不乱という表現をします。そのよ・・・

第137回「ベビーカー考察」(2015.5)

特任助教 田口 直子

特任助教 田口 直子

  ベビーカー。   明治、大正、昭和と乳母車(うばぐるま)と呼ばれてきたもの。最近では、バギー。バタくさい人は、ストローラーなんて呼んでいるものも耳にする。「赤ちゃん」を乗せて移動する、手押し車のことをこのように呼ぶ。   これらの形状は時代と共に、変化している。しとしとぴっちゃんで大五郎が乗っていたもの、メリーポピンズの映画で出てくるもの、この時代は箱型四輪車。昭・・・

第136回「前向きな子どもたち」(2015.4)

准教授 林 友子

准教授 林 友子

  新年度が始まって早ひと月が経とうとしています。この4月に入園、入学した幼児や児童は、新たな環境にどの位慣れたのでしょうか。幼稚園現場にいた○十年前を思い起こしてみると、入園当初の登園時、保護者から離れ難く、泣き叫ぶ子どもは結構いたものです。しかし、年々、そうした子どもは少なくなり、多くの子どもたちは、内心は不安なのでしょうが、それを表だって表わすこともなく、園生活に馴染んでいっている・・・

第135回「娘が母親に求めるもの」(2015.4)

教授 上田 玲子

教授   上田 玲子

  保育士資格を取得するには、講義だけでなく実習や演習の授業もたくさんあります。さて先日「子どもの保健Ⅱ」の実習を終えて、使用した器具の後片付けを学生といっしょにしていたら………. 「本当よね~あったまきちゃう!」 「お兄ちゃんにはね、部屋の掃除までしてあげてるのよ。それなのに私には部屋の掃除はもちろんしてくれないばかりか、トイレの掃除しろとか、・・・



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