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荒川河川敷における野外実習(千住キャンパス)を行いました。

2013/05/02

荒川河川敷における野外実習(千住キャンパス)(自然環境学科:岩瀬剛二)

 

2年生配当科目「環境野外実習Ⅰ(千住キャンパス)」において、荒川河川敷における実習を今年度から新たに始めました(4/16(火)、4/22(月)、4/30(火)の3日間)。実習の目的は、荒川の自然に親しみ、荒川の自然環境の現状を知り、荒川の環境を保全することで希少生物の生育環境を守ること等です。なお、本実習はすべて足立区荒川ビジターセンターの全面的協力の下で行われました。

 

4/16(火)にはNPO法人荒川クリーンエイドの方たちの協力により、千住新橋上流右岸の河川敷に生育するヨシ刈りとヨシ刈り後に落ちているごみの清掃を行って希少種であるイトトンボの生育環境をつくる作業を行いました。50数名の学生が9グループ分かれ、満潮時には川の水で冠水するような場所に長靴を履いて入り、鎌を使ってヨシ刈りを行いました(図1)。約1時間半の作業でかなりの面積のヨシが刈られ、ヨシ原脇にはかなり大きなヨシの山ができました。また、ゴミの清掃を行うことで、ペットボトルなどの様々なゴミが漂着していることがわかりました(図2)。

 

 iwasezu1.jpg図1.ヨシ刈り中の学生たち

 

iwasezu2.JPG図2.集めたゴミを前に集合した学生たち

 

4/22(月)には、まず、ビジターセンターにおいて荒川ビジターセンター解説員から荒川の成り立ちや荒川の源流等の荒川のすべてに関する説明を受けました。その後、2つのグループに分かれて、千住新橋右岸において、荒川河川敷土手に生育する植物の観察(図3)と鳥および魚の観察を行いました(図4)。鳥の観察では双眼鏡の使い方に関する説明も受け、今後の自然観察に役立つ経験もありました。

 

iwasezu3.JPG図3.荒川土手の自然観察の様子

 

iwasezu4.JPG図4.荒川での魚観察の様子

 

荒川実習最終日の4/30(火)は、天気予報では雨だったので、中止の可能性も考えていましたが、幸い雨も降らず実習を行うことができました。ビジターセンターにおいて、実習の目的や実習の手順の解説を受けたのち、今回は、千住新橋を渡って左岸にある「五反野わんど広場」へ行き、9グループに分かれて、在来種の分布調査を行いました(図5~7)。

 

iwasezu5.JPG図5.在来種調査の様子1

 

iwasezu6.JPG図6.在来種調査の様子2

 

iwasezu7.JPG図7.在来種調査の様子3

 

荒川河川敷は多くの人手が入って管理されており、また多くの人が行き来するため、生育している植物の多くは外来植物となっていますが、中には在来種も生育しています。どのような在来種がどこに生育しているのかを調査して調査用紙に記録し、最後にはグループごとにまとめて調査結果を提出しました。調査対象となった在来種は全部で16種で、カントウタンポポ(図8)、オオジシバリ(図9)、ケキツネノボタン(図10)、ホトケノザ(図11)などです。変わったところでは外来種の寄生植物ヤセウツボもたくさん見られました(図12)

 

iwasezu8.JPG図8.在来種カントウタンポポ

 

iwasezu9.JPG図9.在来種オオジシバリ

 

iwasezu10.JPG図11.在来種ホトケノザ

 

iwasezu12.JPG図12.外来種の寄生植物ヤセウツボ

 

わずか、3日間の野外実習でしたが、荒川に親しみを感じるようになり、都会育ちの千住の学生たちも少したくましくなったと思わせてくれた実習でした。ビジターセンターから帰るのが名残惜しそうなそぶりを見せる学生たちの姿が目に焼き付いています。

 

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