TEIKAジャーナル

第48回「ミズーリ洲にて」(2011.11)

2011/10/27

3月末から9月末までの半年間、アメリカのミズーリ州立大学のHuman-Animal Interaction の研究所(ReCHAI)のレベッカ・ジョンソン先生の所で研修してきました。永沼学科長をはじめ、児童教育学科の先生方のご厚意により貴重な経験をさせていただきました。留学は、大学院時代からの夢だったので実現してとても嬉しかったです。

私が住んでいた場所は、ミズーリ州立大学コロンビア校のあるコロンビアという町でした。アメリカのほぼ真ん中にある洲です。日本からは、直行便がないため、シカゴを経由してセントルイスまで飛行機で約15時間かかります。さらに、そこから高速バスで2時間かかります。繁華街やデパートや遊ぶ所はほとんどないカントリーサイドでしたが、安全で平和な町で、住人はとても親切でした。ただ、日本人がほとんどいなかったのでとても寂しかったのですが、そのおかげで必死に英語を話せるように努力しました。

ReCHAIでは、所長のジョンソン先生の動物介在活動・教育・療法の研究プロジェクトに参加したり、共同研究を行ったりしました。そのプロジェクトの一つが「Walk Hound Lose a Pound:犬と散歩して減量しよう」でした。私は、2010年の人と動物との相互作用国際学会(IAHAIO)に参加した際に、ジョンソン先生の研究発表を聞いたときに感銘を受けて、ぜひそこで勉強したいと思いました。これは、シェルターの犬(捨て犬や、飼い主のいない保護された犬)を使う散歩プロジェクトです。このプロジェクトの利点は、参加者が楽しんで参加して減量できること、シェルターの犬の散歩のボランティアになることです。さらに、色々な参加者が犬を散歩することによって犬が人に慣れ、新しい飼い主が見つかり、安楽死率が減ることです。このプログラムに参加して、「人と動物の双方に良い影響がある」というのが、動物介在の基本ではないかとあらためて考えさせられました。

本学科では、動物介在教育学という学問があります。人と動物の両者の利益ということを忘れずに一緒に学んでいきましょう。

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