TEIKAジャーナル

第54回「子育て今むかし」(2012.1)

2012/01/10

   最近、出産前に妊婦さんやその夫が参加する母親学級や両親学級に加え、おばあちゃん学級なるものが認知されるようになってきました。出産や子育てに対する常識が今と昔では異なる場合があり、娘さんやお嫁さんと子育てについての意見が食い違うことも少なくないため、育児経験者であるおばあちゃん(正確にはプレおばあちゃんですね)も勉強し直すのだそうです。たとえば、昔はミルクの方が栄養があってよいと言われていたけれど今は母乳育児が推進されているとか、昔は抱き癖がつくから泣いてもすぐには抱っこしない方がよいと言われていたけれど今はすぐに抱っこしてあげた方がよいとか、昔は大人が噛んで柔らかくしたものを赤ちゃんに与えることがあったけれど今は虫歯菌が移るから大人が噛んだものを与えてないだけでなく箸も食器も別にするとか…今と昔で異なる“常識”はたくさんあります。出産や子育ては、太古の昔から続いてきた人間の自然な営みですが、それに関する考え方・学説は、時代によってびっくりするほど変わることも少なくないのです。

   保育者や教育者を目指す学生さんたちには、しっかりした知識を身につけてもらうことはもちろんですが、同時に、自分の経験してきたあるいは教わってきた知識だけが正解とは限らないことも覚えておいてほしいと思います。

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