第2回 「こどもの笑顔に学ぶ」 (2010.4)
2011/01/25
雨の夕刻、北千住の駅までバスに乗った。前の座席に、小学3年生ぐらいの男の子と母親が座っている。「先生は音楽が好きなんだって」「体育も好きで、水泳が得意だって」「宿題も出すと言ってたよ」「良くないことをしたらびしっと叱るらしいよ」などと、早口で矢継ぎ早に喋っている。母親は、笑顔を浮かべながら「そうなの」「うーん。うーん」「いいわね」とゆっくり応じているだけである。
新学期がスタートして、受け持ちの先生が決まり、その喜びを彼なりに伝えているのであろう。とても微笑ましい風景である。彼の話したくてたまらない気持と、母親のうなづきながらただ聴いている姿が実にうまく呼応している。彼の担任先生の人柄が目に見えてくるようである。わが学科もこの4月、新しいスタートを切った。入学してくれた学生たちの姿を、男の子の思いに重ねることができれば幸いである。こんなことを考えているうちに駅に着いた。