TEIKAジャーナル

第9回 「赤ちゃん学会に参加して」 (2010.7)

2011/02/08

  • 安田講堂で開催されました
  • 安田講堂で開催されました

 6月12日、13日と、東京大学本郷キャンパスで開催された第10回日本赤ちゃん学会に参加してきました。赤ちゃん学会は比較的規模の小さい学会ですが、いつもよい刺激を与えてくれるため毎回参加するのを楽しみにしています。

 その大きな理由の一つは、この学会が非常に学際的だということです。一般的な多くの学会は、例えば心理学なら心理学者だけが、物理学なら物理学者だけが集まります。しかしこの学会は、赤ちゃんというキーワードを元に、医学、心理学、工学、物理学、歯学、保育学など様々な分野の研究者が基礎、臨床を問わず集うのです。

 また、一部のシンポジウムは一般の方も参加することが可能です。他分野の人たちとディスカッションすることで、今まで自分にはなかった新たな視点に気づかされることも多くあります。

  • ポスター会場での議論が活発な点も魅力の一つです
  • ポスター会場での議論が活発な点も魅力の一つです

 一つの分野を専門的に研究していくと、自分でも知らず知らずのうちに、ついものの見方が狭くなったり新たな概念を受け入れにくくなったりすることがあります。

 しかも始末の悪いことに、『自分は"専門家"だから知識も豊富だしよく知っている』という自信が、専門家ではない人たちからの意見に謙虚に耳を傾けることを阻害してしまう場合もあるのです。これは、研究だけに限ったことではなく教育や保育などの現場でも同じです。

 専門的な知識や経験を身につけることが重要なのは言うまでもありませんが、その知識や経験の集積におごることなく、謙虚で柔軟な姿勢で物事に取り組みたいものです。

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