TEIKAジャーナル

第16回 「幼児のルール」 (2010.10)

2011/02/26

例年になく暑い夏も終わり、すこし、涼しくなってきました。そこで、久しぶりに、3人の子供(6歳の男の子、3歳の男の子と女の子の双子)を連れて、近所の公園に行きました。

 その公園には、5歳くらいまでの子供が使う高さが少し低い滑り台ともう少し大きな子供たちが使う滑り台があります。3歳の双子の子供が、少し低い滑り台で遊んでいたときのことです。まだ足元のおぼつかない幼児が、一歩一歩踏みしめながら、滑り台の階段を昇っていきます。そして、階段を昇りきったところで、母親や父親の顔をみて、にっこりと微笑み、おもむろに腰を下ろし、そして、ゆっくりと腰をずらし、滑り台を滑っていきます。滑りきったところで、親に抱っこされて大喜びをしています。この子供が、階段を昇っているとき、腰をずらしているとき、滑り台を滑っているとき、他の子供たちは、嫌な顔ひとつせず、また、あせらすこともせず、ずっと、待っています。親が待ちなさいといったわけでもないのに、ちゃんと待つことができます。このような幼児の様子をみていると、大人の方がかえって社会性が発達していないのではないかと思ってしまいます。

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