第23回 「富士は日本一の山」(2010.12)
2011/03/12
あたまを雲の 上に出し 四方の山を 見下ろして かみなりさまを 下に聞く 富士は日本一の山 (文部省唱歌) |
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先日、高知県へ出かけてきました。
行きのフライトは富士山の見える時間だったので、早くから窓側の席を予約していました。この日は暖かな小春日和で、ワクワクしながら飛行機に乗り込みました。夕方に近かったので少し雲は多くなってきたものの、しばらくすると遠くの方に富士山のあたまが見え始め、私はデジカメを片手に窓に吸いつきながらしばし見とれていました。
なぜ人は富士山に特別な想いを馳せるのでしょうか?
陸上競技に夢中だった頃、「日本一」は憧れでした。いつか日本で一番になりたい!そんな思いを胸に抱きながら、毎日毎日ひたすら走っていました。恩師の言葉は今でも深く心に刻まれています。「より高いところ目指すのであれば、より広く裾野を広げなければならない。富士山のように。」日々の苦しいトレーニングは裾野を広げるためだったのだと思います。
流行語大賞にもノミネートされた「2位じゃダメなんですか?」
初めから2位を目指していたら、裾野の広さもそれなりだと思うのです。1位を目指しているからこそ裾野も広がり、たとえ2位になってしまったとしても安定感があり、次への期待が持てるのではないでしょうか。
より高いところ目指すためには、より深く根っこを伸ばし、より広く裾野を広げる。「人を育てる」ということは、この根っこや裾野の部分に辛抱強く水や栄養分を与え続けることではないかと思っています。
(文責 井筒紫乃)