TEIKAジャーナル

第81回「大学生が興味のある心理学とは?」(2012.11)

2012/11/15

  私は、心理学系の科目では、教育心理学や臨床心理学を担当しています。学生に「心理学のことで何が一番知りたいですか?」と聞くと、一番多い回答が「恋愛の心理について」です。学生の年代は、特定の異性と親密な関係を結んでいく時期ですので、一番興味があることが恋愛に関してなのでしょう。

  恋愛を研究する心理学の分野は、対人魅力からはじまっていると考えられています。リー(1973)は、恋愛のタイプをルダス(遊びの愛)、マニア(狂気的な愛)、プラグマ(実利的な愛)、エロス(美への愛)、ストロゲ(友愛的な愛)、アガペ(愛他的な愛)の6つに分類しています。また、松井ら(1990)は、リーの研究を基に、この6つに分類する心理尺度(ある心理の特性を見えるように数値化する「ものさし」のこと)を作成しています。

  学生時代に多いのは、ストロゲ(友愛的な愛)なのかもしれません。これは、穏やかな友情のような恋愛です。大学の同級生やサークル等の友人同士で、一緒に時を過ごすうちに、気がついたときには愛情が育まれているということもあるかもしれません。どのような恋愛関係にしろ、対人関係の中でも心理的距離がとても近くなる関係ですので、相手との関係を通して、自分について深く考える機会となるでしょう。

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