TEIKAジャーナル

第110回 「かみしばい、紙芝居」(2014.2)

2014/03/04

  児童教育学科幼保コースでは、冬季休業中に幼稚園実習Ⅱを行います。その際、助言教員が実習中の幼稚園にご挨拶に伺い、園長先生もしくはご指導を受けている先生、そして学生との面談を行うことになっています。

 

  先日も、ある幼稚園にご挨拶にお伺いしました。

「子どもたちへの接し方がとても誠実で、子どもたちも先生(実習とはいえクラスの「先生」になります)が大好きです。気を利かせて率先して動いてくれます。とてもいい学生さんですね。」

  とのお言葉を頂き、感激しました。大学でのにぎやかな様子を知っているので、少々身に余るお褒めの言葉とは思いましたが、実習園での姿もその学生自身が持つ一面なのだと思います。実習園へのご挨拶はスケジュールの調整、移動など大変なところもありますが、大学で講義をしている際には気付けない学生の側面、それも良い側面を知ることができると嬉しくなります。

 

  さて、その学生は部分実習で手遊びと紙芝居を指定されたとのことでした。「季節の行事に関わる紙芝居、ストーリーもの、今クラスの子どもたちが夢中になっているじゃんけんをテーマにしたもの、年齢に合わせて12枚まで」、という基準で3つのお話を選んでいました。幼稚園の先生方のアドバイスを真摯に受け止めながら、自分自身で季節や子どもたちの姿に応じた紙芝居を選ぶことができるようになっていること、そしてその根底に子どもたちを楽しませたいという気持ちがあることに感心しました。

 

  早速、読んでみてもらいました。   …まだまだ練習が必要かもしれません。

 

  みなさんは、紙芝居を演じるときにはどんなところに気をつければよいと思いますか?声色の使い分けでしょうか?それとも緩急でしょうか?私は紙芝居の専門家ではありませんが、絵本にない一番の魅力であり、一方で一番難しいところは、「抜き」だと考えています。

 

  「ゆっくり半分まで抜く」「さっと抜く」などの指示が紙芝居の裏面に書いてあります。ですが、裏面の指示に従って読んでいるだけだとちっともおもしろくないのです。というのは、それがたとえ指示通りだとしても、「抜き」とセリフが合っていなければ台無しになってしまうからです。半抜きの際、子どもは「隠れているところに何があるのか」と紙芝居を見つめます。それが先に見えてしまったのでは興ざめです。子どもたちの目にどのような画面が映っているのかを気にかけながら「抜く」ことが大切なのだと思います。

 

  児童教育学科の「保育室」にはたくさんの紙芝居が用意してあります。紙芝居の舞台もあります。幼稚園教諭、保育士を目指すみなさん、次回のオープンキャンパスで体験してみませんか。

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