TEIKAジャーナル

第127回 「動物絵本の魅力」(2014.11)

2014/11/29

  私の研究室には、動物が出てくる子ども向けの本をコレクションした本棚があります。今ざっと数えてみたところ、300冊ほどありました。

  ほとんどは研究や授業で紹介する用途で、こつこつと買い集めた絵本や図鑑、児童書などですが、なかには子どもの頃からずっと大切に持っているものも含まれています。長く手許に置いてきたのは、私の人生を変えてくれた、というと大げさですが、もっと動物について知りたい、動物に関連していて動物のためになる仕事がしたい、と思わせてくれた本たちです(その本たちの紹介はまたいつか)。

 

  「動物とこどもの生活」という授業では、このコレクションを全て教室に運んで、動物が出てくる本(絵本)と保育室や教室の環境づくりの関係について考える機会を設けています。全員がすべての本に一度は目を通し、最後に、子どもたちとの活動の中で、こんなふうに使いたい、という1冊を発表してもらっています。

 

  「ナンセンス絵本でくだらないのだけど(※学生の意見です)読んでいる私も、子どもも楽しくなる」

  「母の日の制作の導入に使いたい」

  「生活科に使えそう」

  「少し長くて絵も少ないし、じっと聞いているのは難しいけれど5歳児なら」

  「食育の一環になるかも」

  「読み聞かせには向かないかもしれない。でも、教室に置いておきたい」

  などなど…。

 

  動物が子どものやりたいこと、例えば勇敢な冒険を繰り広げる本。

  子どもがしてほしいことを動物がしてもらう、例えばお母さんにぎゅっと抱きしめてもらう本。

  動物との付き合い方を教えてくれる本。

  友だちとの付き合い方を教えてくれる本。

  動物の飼い方を教えてくれる本。

  ペットとして飼っていた動物が死を迎えたとき支えになってくれる本。

  擬人化された動物たちが友だちの死を悼む本。

  食べ物がどこから来るか教えてくれる本。

  生き物ってふしぎだなって気づかせてくれる絵本。

 

  動物絵本にはいろいろな魅力が詰まっています。大好きなペット、擬人化された動物、しゃべるぬいぐるみのキツネ、農場を経営するネコなど、さまざまな形でさまざまな動物たちが登場します。そこには私に起きた様に、あなたの、またはあなたがこれから関わっていく子どもたちの人生を変える一冊が含まれているかも知れません。

 

  みなさんのお気に入りの一冊はなんですか?

 

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