TEIKAジャーナル

第143回「セミの抜け殻調査」(2015.8)

2015/08/25

  蝉しぐれも終盤を迎え、夕暮れにヒグラシの鳴き声が響くようになりました。ヒグラシの鳴き声は晩夏の象徴であり、秋の季語ですが、薄暗い時に鳴く習性があるため、朝方にもその声を聴くことができます。夏休みに遊びに行った祖母の家での思い出です。

  なじみ深いセミの声ですが、「実はヒグラシは7月からずっと鳴いている」ということを最近知りました。子どもの頃の「夏休みが終わってしまう」という気持ちとヒグラシの声と夕焼けの情景が強く結びついているからでしょうか、その事実を知っても、夏の終わりを告げるセミというイメージはなかなかぬぐえないのですが。

  クマゼミの抜け殻にはおへそのようなでっぱりがあるって知っていますか?都内の公園で見つかるのはアブラゼミの抜け殻ばかりでしたが、広島市の中心部の公園ではクマゼミの抜け殻もたくさん見つかりました。山の中腹の公園では、ヒグラシの抜け殻と泥まみれのニイニイゼミの抜け殻を見つけることができました。今夏、小学校一年生の「せみのぬけがらちょうさ」という自由研究を手伝って知ったことです。

  子どもの頃からよく知っている、と思うことでも、図鑑を調べたり、実際に自分の足を使って調べてみると思わぬ発見があるものですね。

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