TEIKAジャーナル

【作業療法学科】どの科目が大切か?

2020/11/25

作業療法学科の澤田です。
大学の入学試験では、幅広い知識を要します。作業療法学科のような医療系の学部では、理系科目が入学試験ではよく用いられます。では、文系ではだめなのでしょうか?

実は、私は高校時代文系でした。歴史や現代文が好きだった覚えがあります。そのため、入学試験では、理系科目を一生懸命勉強して臨んだ覚えがあります。しかし、文系で学んだ歴史や現代文が役に立っていないかというとそんなことはありません。
作業療法士の仕事の中では、趣味ができるように治療することもあれば、趣味自体にアプローチしなくても作業療法をしながら趣味の話をよくします。大河ドラマが好きな人だったり、本が好きだったりする人はたくさんいます。病気になったことで、テレビを見たり、本を読んだりする時間を多くなり、よりそのような話をすることが多くなるのかもしれません。その時に、文系で学んだことも役に立っているなと感じていました。

また、先日、小学2年生の息子が少年野球体験教室に参加しました。運よくバッターボックスでバットにボールを当てることはできたのですが、そのあとどうしたらよいかわからず、立ったままでいました。すると、「走れ!」と声がかかりますが、今度はどっちに走ったらよいかわかりません。ピッチャーに向かって走り出そうとしたくらいです。

この例からわかるのは野球について知っているかどうかが大切だということです。もし、野球について知っていれば、私の息子のようなことは起きませんね。文系か理系かを問わず、体育や音楽、美術のような科目だって役に立つことはあるのです。

どの科目が大学受験で大切かと聞かれれば、理系科目と答えます。国家試験でどの科目が大切かと聞かれれば、「どちらかといえば」理系科目と答えます。なぜなら、物理や生物に関連した問題は国家試験に出題されるからです。しかし、国家試験では実地問題といって、患者さんについて書かれた長い文章を読んで読み取る問題も出題され、それは知識だけでなく読解力も必要になります。ですから、「どちらかといえば」を付けました。
そして、作業療法士としてどの科目が大切かと聞かれれば、すべてと答えると思います。どの科目も、いろいろな患者さんとお話をするときや、作業療法をするうえでは役立つと思っています。
 
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