TEIKAジャーナル

【作業療法学科】きっかけ

2021/05/09

こんにちは!作業療法学科の小橋です。
 本学の建学の精神は
”人類の将来を正しく見据え、生命の尊厳を深く学び、

自然と人間の共生に貢献できる人材を育成し、持続可能な社会の発展に寄与する”
となっています。
 作業療法は、人の健康と幸福に寄与することを基本理念と学術的根拠を基に行われます。
本学には、生命環境学部や医療科学部、教育人間科学部がありありますが、どのような視点で自然と人間の健康且つ幸福な共存を目指すのか? 普段の何気ない生活の中から考えています。

みなさんはゴールデンウィークをどのように過ごしましたか?
私は、自宅の裏にある散策コースをトレッキングしました。
写真は、その時の様子ですが、イタドリを採ってきました。イタドリの皮をむいている時にあることを思い出しました。以前私が担当したクライアントの話です。

 そのクライアントは、脳卒中によって半身が麻痺してしまいました。それからというもの、毎日につらくて泣いてばかりでした。
 クライアントは女性であったため、家事も何もかもできなくなったと感じていました。しかし私たちは作業療法士です。麻痺のない手足を使ってできることはまだまだると考えました。両足にふきやイタドリなどを挟むことは可能でしたので、実際に皮むき行ってみました。
 最初クライアントは、できるはずがないと否定してました。しかし、私たちが予想した通り十分行うことができました。私たちは、悔し涙がうれし涙に代わった瞬間に立ち会えることができました。この体験はクライアントの新しい人生の幕開けでした。

 些細なきっかけでしたが、これ以降クライアントは、独力で歩行できるようにもなり、家の家事をすべて行うことができるようになりました。もちろんお風呂掃除も全てです!

 自然の中に身を置くと、古き良き時代に触れていた様々なものに出会うことがあります。医学の進歩は目覚ましいものですが、身近な自然にあるものを新しい根拠を基に利用していくことが、ひょとしたら私たち医療人と自然の共存なのかもしれないと感じたゴールデンウィークでした。

 

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