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第69回「私の好きなコーナ「私の履歴書」」(2012.7)

教授 河崎 雅人

教授 河崎 雅人

私は、新聞を読むことがとても好きです。新聞には、ニュースだけではなく、色々なコーナもあります。特に、私が好きなコーナは、日本経済新聞の「私の履歴書」です。一人の方が、約一ヵ月間毎日、生まれてから現在までをさまざまなエピソードを交えて紹介されます。6月は著名な物理学者である米沢富美子さんが執筆されています。5歳の時に「三角形の内角の和は180°である」ことの証明が理解できたことや女性が物理や数学を勉強することに対する社会からの風当たりの大きさなどが紹介されています。また、5月は上方落語協会会長で今年の7月に「六代 桂文枝」を襲名される桂三枝さんでした。私は落語、なかでも古典落語が大好きで、創作落語の桂三枝さんに少し疑問を持っていました。しかし、「私の履歴書」で創作落語の道を進むことになった理由や苦悩を知り、桂三枝さんに対する見方が変わり、10月の襲名披露公演で創作落語を聞きたくなりました。このように、「私の履歴書」に書かれている内容は単なる成功の紹介ではなく、これまでの人生をどのように歩んできたかを素直に紹介されています。履歴や経歴、今の言葉で言えばキャリアというと、とかく、どのような勉強や仕事をしたか、持っている資格は何か等を思い浮かべがちです。しかし、キャリアとはラテン語のCarrariaが語源で、もともとは、馬車などの乗り物が通ったあとにできる轍という意味です。私たちは、毎日、どのような轍を残しながら生きているのでしょうか。「私の履歴書」で人生の先輩方の轍を垣間見るにつけ、自分の残してきた轍やこれから残す轍について、毎朝考えさせられてしまいます。

 



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