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第82回「子ども・子育て関連法案の成立で、保育はどのように変わるのか」(2012.11)

准教授 石橋 裕子

准教授 石橋 裕子

  子ども・子育て新システムに関する法律(以下、関連法)が、先の通常国会で、民主・自民・公明の三党合意により、消費税増税法とともに可決・成立しました。子ども・子育て支援法、認定こども園法改正法、児童福祉法改正を含む関係法律の整備法の三法案です。消費税の税率が10%に引き上げられる予定の2015年10月以降が、関連法の施行日とされています。施行されると、保育はどのように変わるのでしょうか。

  これまでの保育施設は、保育所、幼稚園と、2006年に創設された認定こども園でした。今後は、大きく分けて「施設型保育」「認定こども園」「地域型保育」の四種の保育施設に分けられます。「施設型保育」は、幼稚園と保育所、「認定こども園」は、四類型(幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地域裁量型)、「地域型保育」は家庭的保育、小規模型保育、事業所内保育、居住訪問型保育などです。

  現行制度は「保育に欠ける」というのが保育所入所の条件です。どの子どもも原則8時間の保育を基本として、必要に応じて保育を受けています。新システムでは、保育を受ける前に、必ず必要性の認定を受けなければなりません。保護者の労働時間によって、たとえば、パートや自営業などの仕事についている人の子どもは1日6時間以内の短時間保育、正社員として働いている人の子どもは11時間までの長時間保育など、子どもの保育時間が異なるようになります。これでは、子どもの生活のリズムではなく、保護者の働く時間に合わせて保育を利用しなければならず、午後から登園する子、昼寝の途中で帰る子どもが出るなど、絶えず送迎があり、子どもも保育者も落ち着かない保育となってしまうことが懸念されます。土曜日などの行事も、通常、土曜日に登園していない子どもは登園しませんので、開催できなくなってしまう恐れがあります。

  このほか、保育料や公立施設の民営化、保育と教育の関係など、関連法は複雑で分かりにくい内容です。本施行までにしっかりと理解したいものです。



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