教員一覧

教員詳細

内藤 可夫 (ないとう よしお)

内藤 可夫

役職:総合教育センター長・教授・博士(人間・環境学)

主な研究と活動

 我々人間にとって生と死は最も重要な問題でありながら、全く明らかになってはいません。この世界が何のために存在するのかも全くわかっていません。この問題を考えることがほかのすべての問題を考える上での大前提であり、生き方の問題や環境問題はそこから深く考えるべきです。私は「死」と「生」の意味を哲学的に考えることを基本として、いくつかのテーマで研究を進めています。
 具体的には、ニーチェによる近代哲学批判の研究から出発し、存在概念の検証を中心として研究を進めています。近年は上記の文脈から、儒教や仏教に前提される非西洋的な存在概念、死の概念あるいは人格概念の研究を行っています。そのほか、神経科学の近年の諸成果の存在論的な意義に関する研究についても併せて進めています。
 また、環境倫理・環境思想の諸説に関する批判的検証の研究を進めています。特に現在はパリ協定の前提となったIPCCのAR5の認識に基づき、気候変動による環境危機の深刻化という状況における新たな倫理的問題について研究をしています。

キーワード 存在論、ニーチェ、環境倫理、人格、死
専門分野 哲学、倫理学、環境倫理学
担当科目 倫理学A、倫理学B、科学史、情報Ⅰ、情報Ⅱ
学位
  • 京都大学 学士(文学)
  • 京都大学 修士(人間・環境学)
  • 京都大学 博士(人間・環境学)
学歴・経歴
  • 1992年 3月 京都大学 文学部 哲学科 哲学専攻 卒業
  • 1994年 3月 京都大学大学院 人間・環境学研究科 人間・環境学専攻 修士課程 修了
  • 1994年 4月 日本学術振興会 特別研究員DC1(1997年3月まで)
  • 1997年 3月 京都大学大学院 人間・環境学研究科 人間・環境学専攻 博士後期課程 修了
  • 1997年 4月 京都大学大学院 人間・環境学研究科 研修員(1998年3月まで)
  • 1997年 4月 摂南大学 経営情報学部 非常勤講師(人間存在論担当) (2002年3月まで)
  • 1997年 4月 大阪工業大学 情報科学部 非常勤講師(哲学Ⅰ、哲学Ⅱ担当)(2002年3月まで)
  • 1998年 5月 京都大学大学院 人間・環境学研究科 研修員(1999年3月まで)
  • 2000年 4月 人間環境大学 人間環境学部 人間環境学科 非常勤講師(倫理学、環境倫理学、情報実習Ⅰ担当)(2001年3月まで)
  • 2001年 4月 人間環境大学人間環境学部 助教授(2005年4月 職名変更「准教授」)
  • 2001年 4月 大阪工業大学 情報科学部 非常勤講師(哲学基礎、哲学Ⅱ担当)(2002年3月まで)
  • 2004年12月 静岡大学 農学部 非常勤講師(環境倫理学担当)(2005年12月まで)
  • 2009年 4月 人間環境大学 人間環境学部 教授(2017年3月まで)
  • 2014年 4月 東海大学 文学部 文明学科 非常勤講師(現代環境論I、現代環境論II担当)
  • 2017年 4月 帝京科学大学 総合教育センター 教授
主な著書
  • 『ニーチェ思想の根柢』単著、晃洋書房刊(2000年)
主な論文
  • 「ニーチェにおける「権力への意志」の批判的検討」、『人間存在論』第1号、京都大学大学院人間・環境学研究科『人間存在論』刊行会編、p185-195(1995)
  • 「ニーチェにおける「生」」、『人間・環境学』第5号、京都大学人間環境学研究科編、p57-68(1996)
  • 「後期ニーチェの根本思想」、学位論文(博士)京都大学、111頁、(1996)
  • 「ニーチェにおけるニヒリズムと自然」、『人間存在論』第3号、京都大学大学院人間・環境学研究科『人間存在論』刊行会編、p605-615(1997)
  • 「ニーチェにおける身体論」、1997年6月 、『アルケー』第5号、関西哲学会編、p63-73(1997)
  • 「環境倫理学の可能性の条件」、『人間存在論』第5号、京都大学大学院人間・環境学研究科総合人間学部『人間存在論』刊行会編、p93-105(1999)
  • 「死の存在論的究明の条件」、『人間環境論集』3、人間環境大学人間環境学部編、34-46(2004)
  • 「環境倫理学の歴史的意義」、『人間環境論集』4、人間環境大学人間環境学部編、p64-71(2005)
  • 「鈴木正三における死の思索の誠実性」、『人間環境論集』6、人間環境大学人間環境学部編、p15-28(2007)
  • 「現代文明の運命―生の無から人間の無へ―」、『アルケー』15号、関西哲学会編、p150−163(2007)
  • 「人間存在の可能性と教育の目的の再生」、『人間環境論集』7、人間環境大学人間環境学部編、p23-32(2008)
  • 「ニーチェのヘラクレイトス解釈における「人格」の問題について」、『人間環境論集』8、人間環境大学人間環境学部編、p2-13(2009)
  • 「ニーチェの構想する哲学後の哲学と現代」、『理想』684号、理想社、p166-176頁(2010)
  • 「ニーチェのニヒリズム思想へのエピクロスの影響-死への思索の必然性について」、『人間環境論集』8、人間環境大学人間環境学部編、p2-11(2010)
  • 「ニーチェにおける人格概念」、『人間と環境 1』、人間環境大学、p23-p34(2011)
  • 「ニーチェにおける 「超人」 への階梯について:< 問い> の構造からの検証」、『人間と環境 2』、人間環境大学、p15-29(2011)
  • 「社会, 他者, 倫理および人格の存在論的意義について:-存在概念の由来に関する試論」、『人間と環境 電子版 4』、人間環境大学、p1-11(2012)
  • 「和辻哲郎 『人間の学としての倫理学』 における倫理的存在論の着想: 東洋倫理思想による存在論転換の試みの今日的可能性について」、『人間と環境 電子版 7』、人間環境大学、p14-24(2014)
  • 「人間環境学研究: 学としての可能性と教育システム理念としての意義」、『人間と環境 5』、人間環境大学、p13-28(2014)
  • 「存在概念の由来としての 「自身」 概念と他者概念: ニーチェ・和辻哲郎による存在批判からの可能性」、『人間と環境 電子版 9』、人間環境大学、p33-44(2015)
  • 「脳機能と存在概念の条件について」、『人間と環境6』、人間環境大学、p41-54、(2016)
所属学会等
  • 関西倫理学会員
  • 関西哲学会員
  • 日本哲学会員
  • 日本現象学会員
TOP