【自然環境学科】奄美実習・新規開講しました!
2025/03/21
2025年2月末に3泊4日で、本学で初めてとなる奄美大島を実習地とした実習が行われました。
自然環境学科では新たに「世界自然遺産実習」を立ち上げ、屋久島、知床に続く、第三弾となります。
1日目は、笠利漁港での観察。
8分間で10回、ウミガメが海面から顔を出すのを観察し、その合間に海上を舞うサシバとミサゴも観察しました。
原ハブ屋でハブの生態も学びました。
夜はナイトツアー。
漆黒の闇の林道を車で進んだり、時には徒歩で歩きながら、道に出てくる動物を探します。
2時間でアマミノクロウサギ(国の天然記念物、絶滅危惧IB類)を6匹、リュウキュウコノハズク(絶滅危惧II類)1匹、アマミハナサキガエル(絶滅危惧II類)1匹、ヒメハブ1匹を見つけました。
リュウキュウコノハズクは繁殖期ど真ん中、ガイドさんの指笛の音に対抗していたようで、少なくとも3羽は近くに集まってきました。
2日目は、住用川をカヌーで下り、マングローブ林の観察をしました。
初めてのカヌー、初めてのマングローブ、初めての裸足で歩く真っ白な干潟。
そこらじゅうにカニの巣穴があり、ミナミコメツキガニが旋回しながら砂に潜る姿に歓声が湧きました。
途中、オーストンオオアカゲラの姿もばっちり見れました。
午後は森・川・海のつながる嘉徳海岸にて、その境に繁茂するアダンの天然の防風林・防潮林を観察しました。
この地ではコンクリートの護岸を作る工事が始まっており、180mもある素晴らしい砂浜を潰してまで本当に必要なのか?みんなで考えました。
夜はナイトツアー第2弾。
アマミノクロウサギ7匹、ヤマシギ1匹を見れました。
別の場所に行ったチームは、リュウキュウアオバズクを見つけたそうです。羨ましい!
3日目は、住用町のモダマ自生地を訪れ、スクリュー型の蔓の様子に感激しました。
他の植物に寄りかかってどんどん成長していく植物、知ってから森を見ると、あちこちにモダマの蔓が見られました。
亜熱帯の森にはヒカゲヘゴやたくさんの着生植物があり、突然姿を現したルリカケス(天然記念物、絶滅危惧II類)に一同大興奮。
午後は大浜海浜公園と環境省野生生物保護センターを訪問し、
環境省ではマングース根絶の立役者である阿部愼太郎さんにお話を伺いました。
こんなにアマミノクロウサギをを見られるような状況まで回復したのには、阿部さんが駆除しようと発案されたから、
その後25年かけて32,647頭を捕獲するにつながったわけです。
その後、国直海岸に行き、浜の砂がサンゴの砂から礫へ徐々に変わっていく様子を観察しました。
サンゴの礫の上を歩くと、サンゴ同士がぶつかる、鈴の音のような綺麗な音が聞こえました。
4日目、奄美自然観察の森を訪れました。たくさんのシリケンイモリに一瞬でしたがオオトラツグミ(天然記念物、絶滅危惧II類)も見れました。
オオトラツグミは奄美大島だけの固有種です。アマミテンナンショウの花もばっちり見れました。
4日間があっという間に感じられる、内容の濃い実習となりました。
南西諸島の固有種、奄美群島の固有種、奄美大島の固有種、が次々と登場して、
自然環境保全の現場の最前線を目の当たりにして、たくさん刺激を受けたと思います。
みんな口々に、また来たい、夏にも来てみたい、などと話していました。
来年も行く場所やテーマを少しずつ変えながら開催予定です。今から楽しみです!
◆世界遺産実習「知床実習その1」の記事はこちら
◆世界遺産実習「屋久島実習」の記事はこちら
◆自然環境学科のHPはこちら
◆自然環境学科の実習についてのページはこちら
住用川をカヌーで進みながらマングローブ林を観察しました
住用のモダマ自生地。スクリュー型のつるが大迫力です
突然現れたルリカケスにみんな興奮
ルリカケス、青い羽に白い嘴がとても美しいのです!
嘉徳海岸は森・川・海が繋がる、貴重な場所でした。アダンの天然の防風林・防潮林も。
初めてづくし、盛り沢山な4日間でした!