教育・研究

数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度
(リテラシーレベル)

 本学では、全学的な基盤教育として数理・データサイエンス・AIに関する内容を学べる科目群を設置しています。

〈参考〉

文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」

〈本学の申請内容〉

1.概要
2.申請書



1.教育プログラムの名称

数理・データサイエンス・AI教育プログラム

2.身につけることができる能力

 「情報Ⅰ」では、データサイエンスの概要を理解し、データモラル、情報モラルおよび情報セキュリティを理解した上でインターネットを利用した情報収集の方法やメールソフトの使い方といったインターネット・リテラシーを身につけます。さらに、データ活用・表計算・プレゼンテーションといったコンピューターを道具として使いこなすコンピューター・リテラシーを身につけつつ、データの読み方、取り扱い、説明方法について学習します。
 「情報Ⅱ」では、データサイエンスの概要を確認し、データ・AI利活用の最新動向について学習します。これを踏まえて、講義および実習を通して「実社会で活躍する」スキル、すなわち情報活用のプロセスにおいて必要となる力(情報を分析し、整理・蓄積し、伝える力、またそのプロセスを通して、情報を安全かつ適切に運用できる力)を身につけます。

3.教育プログラムの修了要件、授業の方法および内容

 本学では、1年次に「情報Ⅰ」および「情報Ⅱ」を開講しています。これらの単位を取得することで数理・AI・データサイエンスに関する教育プログラムを履修したことになります。さらに、統計および数理基礎を学べる「統計学」を選択科目として開講しています。

4.実施体制

 本教育プログラムの実施体制を下表に示します。


委員会・部会役割
数理・データサイエンス・AI教育推進部会

プログラムの改善・進化

自己点検評価委員会 プログラムの自己点検・評価

5.授業に含まれている内容・要素

 「情報Ⅰ」および「情報Ⅱ」は、数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムにおける「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)のモデルカリキュラム」の導入、基礎、心得に相当する科目です。モデルカリキュラムで示される内容と「情報Ⅰ」および「情報Ⅱ」の授業概要、各回の講義テーマとの対応関係を下表に示します。


〈参考〉

「数理・データサイエンス・AI(リテラシーレベル)モデルカリキュラム」

数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム


授業に含まれている内容・要素講義内容

(1)現在進行中の社会変化(第4次産業革命、Society 5.0、データ駆動型社会等)に深く寄与しているものであり、それが自らの生活と密接に結びついている

1-1 データサイエンス、ICTリテラシー、社会におけるIT、AI、データサイエンス。「情報Ⅰ」(1回目)
データサイエンス概論:第4次産業革命、Society 5.0、データ駆動型社会ビッグデータ、IoT、AI、ロボット、データ量の増加、計算機の処理性能の向上、AIの非連続的進化、人間の知的活動とAIの関係性、データを起点としたものの見方、人間の知的活動を起点としたものの見方など。「情報Ⅰ」(2回目)
1-6

データサイエンス、AIの最新動向。検索エンジンにおけるデータとAIの活用事例(AI等を活用した新しいビジネスモデル:シェアリングエコノミー、商品のレコメンデーションなど)。情報収集(情報収集・選別/整理・蓄積/加工・分析/表現)。「情報Ⅱ」(1回目)
データ・AIの今後の活用と展開の動向(ロードマップ)の解説:AI最新技術の活用例(深層生成モデル、敵対的生成ネットワーク、強化学習、転移学習など)。情報運用と注意点(著作権、肖像権、個人情報漏洩、ウイルスなど)、安全の確保。「情報Ⅱ」(2回目)

(2)「社会で活用されているデータ」や「データの活用領域」は非常に広範囲であって、日常生活や社会の課題を解決する有用なツールになり得るもの

1-2

社会で活用されるデータ、活用領域や現状の具体例(調査データ、実験データ、人の行動ログデータ、機械の稼働ログデータなど)。1次データ、2次データ、データのメタ化、ビッグデータとアノテーション:実態と将来の可能性。「情報Ⅰ」(14回目)
社会で活用されているデータの事例(構造化データ、非構造化データ(文章、画像/動画、音声/音楽など))、インターネット普及率など分析演習。「情報Ⅱ」(5回目)
実社会におけるビジネスとデータ活用。商取引とコミュニケーション。広告・マーケティングにおけるデータ活用。消費者調査方法と分析。POSシステム、オープンデータなどデータの分析活用の広がり。「情報Ⅱ」(11回目)

1-3

データ・AI活用の概説:仮説検証、知識発見、原因究明、計画策定、判断支援、活動代替、新規生成など。現状と将来の活用の可能性の調査:研究開発、調達、製造、物流、販売、マーケティング、サービスなど。「情報Ⅰ」(13回目)
社会で活用されているデータ・AIの調査:データ・AI活用領域の広がり(生産、消費、文化活動など)。「情報Ⅰ」(14回目)

(3)様々なデータ利活用の現場におけるデータ利活用事例が示され、様々な適用領域(流通、製造、金融、サービス、インフラ、公共、ヘルスケア等)の知見と組み合わせることで価値を創出するもの

1-4 AIの最新動向(具体例)の紹介。(特化型AIと汎用AI、今のAIで出来ることと出来ないこと、AIとビッグデータ、認識技術、ルールべース、自動化技術など)「情報Ⅱ」(1回目,2回目)
データ・AI 利活用のための技術。具体的な構造化/非構造化データ(教育、健康など)におけるデータ処理・解析・可視化例および演習。「情報Ⅱ」(4回目,14回目)
1-5

データ・AIのさまざまな利活用の可能性。流通、製造、金融、サービス、インフラ、公共、ヘルスケア等におけるデータ・AI利活用事例紹介。「情報Ⅰ」(15回目)
実社会におけるビジネスとデータ活用。ビジネス文書。商取引とコミュニケーション。広告・マーケティングにおけるデータ活用。消費者調査方法と分析。POSシステムなどビッグデータの分析活用の広がりとデータサイエンスのサイクル(課題抽出と定式化、データの取得・管理・加工、 探索的データ解析、データ解析と推論、結果の共有・伝達、課題解決に向けた提案)。「情報Ⅱ」(11回目,15回目)

(4)活用に当たっての様々な留意事項(ELSI、個人情報、データ倫理、AI社会原則等)を考慮し、情報セキュリティや情報漏洩等、データを守る上での留意事項への理解をする

3-1

情報倫理、データ倫理の概要。電子メールなどのコミュニケーションにおける留意点。著作権。「情報Ⅰ」(3回目)
ELSI(Ethical, Legal and Social Issues)、インターネット普及の歴史とデータの変化。データのやりとりにおける注意点。ビジネスメールなど。個人情報などデータに関する扱いの変化、法令。EU一般データ保護規則(GDPR)、忘れられる権利、オプトアウト。「情報Ⅱ」(8回目)
データ倫理とデータ利用の社会的課題。データのねつ造、改ざん、盗用、プライバシー保護。情報発信におけるリスクと責任、ルール。AI社会原則(公平性、説明責任、透明性、人間中心の判断、データバイアス、アルゴリズムバイアス)などデータAIに関連する倫理的法的問題。AIサービスの責任論。「情報Ⅱ」(9回目)
著作権などの権利と情報・データ。参考文献、引用文献と剽窃、盗用などデータ活用における留意点(著作権法と適用範囲、要配慮個人情報とデータの取得方法、個人情報保護法など)。データ・AI活用における負の事例紹介。「情報Ⅱ」(10回目)

3-2

データ(情報)に関する危険と守るための方法。守るべきデータ(個人情報)。ウイルスなどの脅威、PW、暗号化やOSの管理、ネットリテラシー全般。匿名加工情報、暗号化、パスワード、悪意ある情報搾取。情報漏洩等によるセキュリティ事故の事例紹介。「情報Ⅰ」(4回目)
ファイルやデータの管理とセキュリティ:機密性、完全性、可用性。ファイルの整理、性質・種類、やり取り、メンテナンス(保全・安全)。「情報Ⅱ」(7回目)

(5)実データ・実課題(学術データ等を含む)を用いた演習など、社会での実例を題材として、「データを読む、説明する、扱う」といった数理・データサイエンス・AIの基本的な活用法に関するもの

2-1

Excelによる統計とグラフ。度数分布とヒストグラム。条件判断。平均値、標準偏差などの演習を通じ、データの統計・計算とグラフの関係。代表値の性質の違い。「情報Ⅰ」(11回目)
統計データの処理方法とグラフ。散布図、最小二乗法によるデータ分析、クロス集計表、分割表、相関係数行列、近似値と予測。データのばらつき(分散、標準偏差、偏差値)、観測データに含まれる誤差の扱い。「情報Ⅰ」(12回目)
質的データと量的データ分析の基本テクニック(比較、変化、構成)とグラフの選択、データ加工。打ち切りや脱落を含むデータ、層別の必要なデータ。相関と因果(相関係数、擬似相関、交絡)、母集団と標本抽出関数、論理式と条件分岐。適切なデータの読み方・分析。統計情報の正しい理解(誇張表現に惑わされない)。「情報Ⅱ」(3回目)

2-2

視覚表現の特徴と方法。データ表現(棒グラフ、折線グラフ、散布図、ヒートマップ)。視認性、色と図形、配色、ルール付け、図解方法、データの図表表現(チャート化)。「情報Ⅱ」(12回目)
e-Statを利用した社会の調査と分析・データ作成。「情報Ⅱ」(13回目)
統計データを用いた視覚表現・グラフなど:データの比較(条件をそろえた比較、処理の前後での比較、A/Bテスト)、不適切なグラフ表現(チャートジャンク、不必要な視覚的要素)、優れた可視化事例の紹介。「情報Ⅱ」(14回目)
データサイエンス基礎についての総括。「情報Ⅱ」(15回目)

2-3

ファイル管理全般。「情報Ⅰ」(6回目)
図の作成、クラウドや内部ストレージなどへのファイル(データ)の保存。「情報Ⅰ」(6回目)
Excelによる表計算の基礎。データの集計(和、平均)、グラフ作成。データ解析ツール(スプレッドシート)。表形式のデータ(csv)。「情報Ⅰ」(7回目)
Excel計算式、数データと文字データ、グラフ。「情報Ⅰ」(8回目)
Excelの関数。IF関数のNEST構造。条件判断とプログラミング。「情報Ⅰ」(9回目)
データベースの活用。具体例、定形データと非定型データ。リスト、抽出、並べ替え、ランキングなど。「情報Ⅱ」(6回目)

各科目シラバス

「情報Ⅰ」

「情報Ⅱ」

「統計学」

6.教育改善・質保証(自己点検・評価)

 数理・データサイエンス・AI教育プログラムに関する自己点検・評価結果を示します。以下のリンクから参照してください。



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