TEIKAジャーナル

授業紹介「日常生活と宗教」

2012/08/01

今回の「授業紹介」では、総合教育センターが全学部に向けて開講している教養科目(複合系)の一つ、「日常生活と宗教」(担当教員:榊原・田中)を紹介します。

「日常生活と宗教」という科目は、教養科目(選択科目)です。本学の教養科目の中では、特に、自己形成・キャリア形成に関するテーマ、現実社会における実践的・現実的課題に関するテーマ、また文理融合型のテーマを学ぶ系統(本学ではこれに「複合系」という名称を与えています)に位置する科目です。

この科目の学びの目的は、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教、仏教といったいわゆる世界宗教や世界各地で独自に展開されているいわゆる民族宗教にみられるような宗教や信仰という現象について、その全体的な見取り図を手に入れること、そしてこの現象の特質を幅広く理解すること、この二つに定めています。

さて、この授業の特色の一つは、体験型学習を豊富に取り入れていることにあります。すなわち、上に述べたような世界宗教や民族宗教において、「教義(教えの中心)」と「日常的動作」との相互の関連の深さを多面的・多角的理解する機会を提供することを趣旨として、読誦(音読)・写本(写字)・行(座禅など)の体験型学習を豊富に取り入れている点に、学習方法上の特徴を置いているのです。(掲載写真は座禅の体験学習のひとこまです。)

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上記の内容に興味・関心をもつ学生が、本学のあらゆる学部・学科からこの「日常生活と宗教」という科目に集い共に学んでいます。

科学文明の発展によって衰退していくのではないかとの予想に反して、宗教や信仰の領域はグローバル化と個人化の進んだ現代社会において新たな力を得ていると見ることができます。この授業では、それがどのようなメカニズムやダイナミズムによるものであるのかについて理解するとともに、私たち一人ひとりの日常生活の基礎動作や科学的態度・科学的学習とどのように関わるものなのかという問題意識を、体験型学習や経験見直し型学習を通して、学生各自の学習・キャリアの下地として大切に育てています。

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