TEIKAジャーナル

医療福祉学科2021年度を振り返る④研究紹介(加藤洋子教授)超重症児のケアをする母親の支援

2022/03/31

私は、コロナと同じように生命に対する不安を抱える呼吸器ケアが必要な子どもたち(「超重症児と言わ
れる。」)の生活実態と育てておられるお母さんのケア負担を調査しています。調査対象のお子さんは、持続
的に呼吸器を付け、肺の分泌物を常時機械を使って吸い取ることが必要な病状で、寝たきり状態、生活行為
は全てケアしてもらうことが必要な「非常に重く,生命に危険が及ぶ症状」の方です。

人工呼吸器が必要児は、2008 年あたりから2 倍程度に急増しています。医療福祉サービス等が追い付かず主
にお母さんが一人で24 時間ケアしている実態を明らかにして適切な医療的ケアの提供システムが提案できるよ
う目指しています。

看護師でも医師でもないお母さんが一人でケアをしていくうちに、精神的ストレス、睡眠不足等による慢性疲
労、子どものケアで自分の治療が出来ない状況がありました。そこでHRQOL(健康関連生活の質)評価表を使
用して調査をしました。人工透析患者と超重症児者の御家族を比較した結果、超重症児(者)の母親の方が5 倍
近く健康被害が見られました。

「医療的ケア児」法案が可決しました。適切で具体的な解決策や支援が叶うよう具体策が求められています。
厚生労働省は、2025 年(令和7年)を目途に、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。地域で暮らす人々の声を傾聴し互いに助け合うことが出来るよう考えていくことが求められています。
まずは、「こんにちは」のあいさつから。
※調査・情報公開については、大学の倫理委員会、調査対象者の許可を受けています。
TOP