TEIKAジャーナル

【🍀こども学科 2021ニュース no.29🍀】保育・教育者におすすめの一冊 『センス・オブ・ワンダー』

2021/09/14

こんにちは、こども学科の鳥越ゆい子です。


 今から60年以上前、多くの大人たちが見落としてしまいがちなことを伝えるために、一冊の本が作られました。
レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』(上遠恵子訳 新潮社版)です。


 そこでは、子どもたちへの一番大切な贈りものは、「センス・オブ・ワンダー(新しいもの、未知なもの、神秘的なものに目を見はる感性)」だと書かれています。
そして、子どもにとって「感じる」ことがとても大切で、それに比べると「知る」ことはそれほど重要でないと書かれています。
この「感じる」ことを養う大切さは、今も重要視されており、例えば、文部科学省は「生きる力の基礎」として示しています。


 でも、私たち大人は、子どもと関わっている時に、ついつい「知る」こと、例えば何かを覚えていること、何かをできるようになっていることを、
どんなことよりも「すごい!」とほめてしまいます。
みなさんもそんな覚えがありませんか。


 つい先日、3歳の子どもがある本に夢中になっていて、あいうえお順に並んだキャラクター達の横にある索引文字の存在に気づいた場面に出くわしました。
その子は、不思議そうに索引文字を指して「これは何?」と聞きました。
すると、周りの大人たちが急に嬉々として「これはア、これはイ」と覚えさせ、彼が再現できると、すごいすごいと、とても喜んでいました。
本の中のキャラクターは、そっちのけです。
果たして、この子は文字が読めるようになりたかったのでしょうか。

 
 こうした大人達の態度は、これまで、「覚える」「知る」ことを重視してきた日本の学校教育により身についたものだと思われます。
後期からはじまる私の授業では、この今まで当たり前に感じていた考え方や価値観をもう一度見つめ直し、子どもの「学び」について学生たちと一緒に考えていきます。


 『センス・オブ・ワンダー』は、こども学科の考え方にも通じる一冊です。ぜひ読んでみてください。
そして、私も、「知る」より「感じる」授業になるようにしたいと思っています。

 受講者のみなさん、後期の授業もご期待ください。




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