教育・研究

図書館だより 第23号 2003.1.17

[目次]



知らなきゃ損! 国立国会図書館とそのサービス


 国立国会図書館は昭和23年に設立されたわが国で唯一の国立図書館で、東京本館(東京・永田町)、国際子ども図書館(東京・上野)、関西館(京都・関西文化学術研究都市)の三館で構成されています。
日本国内で刊行される出版物を納本制度※1によって広く収集・保存し、利用提供を行っています。蔵書は図書約770万冊、逐次刊行物約17万種におよび、他にもレコードや地図などさまざまな形態の資料を所蔵しています。
 国立国会図書館は満18歳以上であればだれでも入館し利用することができます。※2 平成12年度調査では年間約40万人もの利用者が訪れました。資料は館内で閲覧できるほか、複写サービスも行われています。個人に対する館外貸出はしていませんが、 地域の公共図書館を通じて国立国会図書館の所蔵資料を取り寄せ、利用することが可能です。
 昨年10月、国立国会図書館は自館のホームページ(http://www.ndl.go.jp/)で「NDL-OPAC」(http://opac.ndl.go.jp/)を公開しました。当ページでは、国立国会図書館で収集した 一般資料(図書・雑誌・新聞等)や規格・リポート類等の検索、「雑誌記事索引」の検索、遠隔サービス※3の申込みができます。このなかでも特に役に立つと思われる「雑誌記事索引」の検索について、つぎに詳しく説明します。

※1 「国立国会図書館法」によって、日本国内で刊行された出版物は規定部数を国立国会図書館に納入しなければならないことが定められています。
※2 国際子ども図書館には年齢制限はありません。ただし、2階資料室のみ原則として18歳以上となっています。
※3 国立国会図書館に出向かなくてもインターネットを通じて複写物を申込み、郵送で受取ることができるサービスです。

「雑誌記事索引」とは?

 国立国会図書館が収集する国内刊行の学術雑誌・大学紀要等、約1万5000誌(うち現在も採録中のものは約1万誌)に掲載された雑誌論文の記事索引データベースです。科学技術分野は1978年以降、人文社会分野は1948年以降のものが検索できます。論題・著者・掲載雑誌・巻号・ページ等のデータが収録されており、国内の雑誌論文が検索できる最大規模のデータベースです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「雑誌記事索引」検索のながれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.

 「NDL-OPAC」画面から「雑誌記事索引の検索/申込み」を選択する。



2.

1) 検索したい年代を指定する。
2) 検索語を入力する。
 <論題名>
  論文のタイトルから検索する。
 <著者>
  論文の著者名から検索する。
 <雑誌名>
  論文が掲載されている雑誌のタイトルから検索する。
 <出版者・編者>
  論文が掲載されている雑誌の出版者・編者から検索する。
 <刊行年月>
  その論文の掲載号が刊行された年月から検索する。
 <巻号>
  その記事が掲載されている雑誌の巻号から検索する。
  ●「1巻」「12号」のように数字の場合は「1」「12」の
   ように数字のみ入力する。
  ●数字以外なら、その文字列で検索する。
   例)「別冊」「index」
3) 「検索」ボタンをクリックする。

<論文名><著者><雑誌名><出版者・編者>入力のポイント

  • 入力語が書誌データの一部分と一致すればヒットする。
    例)「代用」→「代用品」「現代用語」などがヒット。
  • 読み(ひらがな又はカタカナ)から検索することもできる。
  • 前後に「/」をつけた場合、その入力語で始まるもの「/○○」、終わるもの「○○/」、完全に一致するもの「/○○/」を検索する。
  • 2つ以上の単語を「"」で挟んだ場合、スペースを含めた形で検索する。
  • 入力欄右の選択リストから検索式を指定できる。
    AND:入力した語のすべてがヒットする論文を探す検索。
    OR:入力した語のいずれかがヒットする論文を探す検索。
    演算子:演算子を組合せて、複雑な条件を用いた検索を行うことができる。
       「&」・・AND(かつ)
       「+」・・OR(または)
       「!」・・AND NOT(かつ、○○は除く)

3.

 ヒットした論文の一覧が表示されるので、詳しく見たい論文を選ぶ。


4.

 論題・著者・掲載雑誌・巻号・ページ等、詳細が表示される。


「雑誌記事索引」は日本語の論文、国内で刊行された雑誌論文等を探すための最も基本的なツールと言えます。無料で利用でき検索方法も簡単です。調査研究の強い味方として活用してください。


リレーエッセイふたこと・みこと


「脳活動からみた読書のすすめ」

マネジメントシステム学科助教授(アニマルサイエンス学科兼任)小川 家資

 小学生時代、本の借用冊数で校内トップになった記憶がある。図書委員が本が見つからないと私に尋ねることがよくあった。しかしながら、読書が好きかどうかは不明。 どちらかというと本のタイトルや目次から自分でストーリーを予想してそれを確認するのが私の読書。もちろん、最後まで読まない本もあった。それが読書とよぶかはわからないが、このやり方が英文の小説などを読む時に役立ったのは確かであり、どちらかというと脳の活動を手助けしただけかもしれない。
 最近、電車の中で読書をしている人を見る事が少なくなり、代わりに、ゲームをしているのかメールを送信しているのか携帯電話を操作している人を見る事が非常に多く なってきた。さて、「ゲーム脳」という言葉を聞いたことがあるだろうか。私の研究室でもそれに関連した実験をしているがまんざらうそでもないようです。これはテレビゲームや携帯メール使用の影響で脳の働きが低下している状態を呼んでいる。 安静時に出現するα波と興奮時に出現するβ波の出現割合からその程度が軽症から重症まで推測できる。ひどい場合には極端に脳の活性状態を示すβ波の出現が悪くなるというのである。また、この「ゲーム脳」の現象が痴呆症高齢者の脳波にとても似て いるというのはとても興味深い。「ゲーム脳」の人の特徴は、表情が乏しく、物忘れが激しく、感情のコントロールがきかず、キレやすいとのこと。年齢からすると幼児・学童期が最も影響を受けやすく、大学生で「ゲーム脳」になった場合はまだもとにもどることは可能だそうだ。
活字を読み、ものを考えながら行う読書は脳を強く働かせる。私の小学生時代も脳の活性化には役立っていたようです。人間らしさを失わないためにも時間を作って読書をしましょう。



Q&A

mark 先週まで「新着図書コーナー」に展示されていた図書の書名を忘れてしまいました。調べる方法はありますか?

 OPACで調べることができます。検索語入力画面の下の方にある「新着照会」のボタンをクリックしてください。何日前までさかのぼるかなどを指定して「検索実行」をクリックすると新着図書の一覧表示になります。「所在表示」をクリックすると 配架場所がわかります。


報告事項


資料収集演習(アニマルサイエンス実習)について

 昨年9月25日、10月7日にアニマルサイエンス実習の中で「図書館における資料収集演習(文献の探し方)」を実施しました。資料の探し方、各種情報源となる資料及びサイト、データベースの紹介、文献の入手方法等について講義を行いました。



お知らせ

1.臨時休館について
 1月30日、31日は本学入学試験のため臨時休館します。
2.春期休業に伴う開館時間の変更について
 期間:1月28日(火)~4月5日(土)
 月~金 9:20~17:00、 土 9:20~12:30
3.春期休業に伴う長期貸出について
 期間:1月24日(金)~3月29日(土)
 返却日:4月12日(土)
 貸出冊数:通常通り
4.学部卒業・大学院修了見込みの方へ
 図書の最終貸出日:3月7日(金)
 最終返却日:3月8日(土)