教育・研究

図書館だより 第5号 1998.1.26

[目次]




資料の配列について

 図書館には多くの資料が所蔵されています。これらの資料はある規則に従って書架に並んでいます。その規則をちょっと知っているだけで、より早く目的の資料に辿り着くことができます。ここでは、当館の代表的な資料である図書と雑誌の配列についてご説明します。

【図 書】
 図書の背に分類ラベルが貼付されていることは皆さんご存知かと思います。この分類ラベルに記された記号はどのように付与されており、またどのような役目を持っているのでしょう。
 上段に記された算用数字による番号は、その図書の主題を表わしています。同じ主題を持つ図書には同一番号が付与さ 『請求記号』れ、類似する主題は前後に系統的に配置されるようになっています。中段のアルファベットと数字の組み合わせは、著者名によって付与され、同じ著者には同一の記号が与えられます。下段の記号は、シリーズ番号・年代等によって付与されます。これら分類ラベルに記された記号を、図書館では『請求記号』と呼んでいます。請求記号
 図書はこの請求記号の上段の番号順、次いで中段の記号順、下段の記号順に並んでいます。主題分類によって配架されることで、目的の図書の前後には類似する主題を持つ図書が配架されるため、書架に目的の図書が見つからなかった場合でも、その周辺の図書の背を眺めたり実際に手にとって見ることで、より適切な図書や関連した図書などを発見することもできます。
 OPAC等で図書を検索し、目的の図書を見つけたときは、まず請求記号を書き留め、これを手がかりに直接書架に行って図書を探すことになります。当館では、分類番号の最初の1桁が1,2,3,6,7,8,9のものを人文・社会科学系図書として1階に配架、0,4,5のものを自然科学系図書として2階に配架していますのでご注意下さい。
 書架を探しても目的の図書が見つからないことがありますが、その場合はまず返却台や新着図書コーナーを探して下さい。それでも見つからない場合は、カウンターまでお尋ね下さい。当日中に返却された図書はカウンターに保管されています。また、図書が利用後、書架の誤った場所に戻されることもあるため、図書館では請求記号順に正しく図書を並べ直す作業を、毎週1回月曜の朝に行なっています。もし書架にあるはずの図書が、返却台や新着図書コーナー等になかった場合は、月曜以降に改めて書架を探してみて下さい。

書架正面図
図書は、各段毎に分類番号の小さいものから大きいものへと順番に左側から右側へ、上から下へと並んでいます。最下段まで行ったら、右隣の連の最上段に移ります。
1階一般書架平面図
左側から右側へと矢印の方向に並んでいます。2階や3階の書架も同様に並んでいます。
図書の並び 書架の並び




【雑 誌】
 当館では、雑誌は主題では分類せず、国内で発行されたもの(和雑誌)と海外で発行されたもの(洋雑誌)に分けて配架しています。本文が外国語で書かれていても、出版者が日本であれば、和雑誌として扱います。洋雑誌、和雑誌とも雑誌名のABC順に並んでいます。洋雑誌は冠詞、前置詞、接続詞を除く語でのABC順、和雑誌はローマ字で綴った語のABC順です。但し、助詞は一語とみなします。
 配列順の例を挙げてみます。各々上から下に向かって次のような順になります。

洋雑誌 Acoustica
American Ceramic Society Bulletin
The American Economic Review
American Journal of Mathematics
American Journal of Science
Analytical Chemistry

和雑誌
NHK技研R&D		→ NHK giken R ando D 
日経ビジネス		→ Nikkei bijinesu
日経コンピュータ	→ Nikkei konpyuta
日本複合材料学会誌	→ Nihon fukugo zairyo gakkaishi
日本金属学会誌		→ Nihon kinzoku gakkaishi
日本の塗料工業		→ Nihon no toryo kogyo
日本農芸化学会誌	→ Nihon nogei kagaku kaishi
人間工学		→ Ningen kogaku




 雑誌は特定の1冊を限定したり順序立てたりするのに巻号(Vol. No.)で表現します。いわゆる○月号とは全く異なるものです。概ね巻と号の両方で表現しますが、巻または号だけのものもあります。書架では同じ雑誌はこの巻号の順に並んでいます。

巻号の例

情報管理  1998年1月号 → 40巻10号 (Vol.40 No.10)
科学    1998年1月号 → 68巻1号 (Vol.68 No.1)
経済セミナー   1998年1月号 → no.516
日経コンピュータ 1997.12.22号 → 433号
週刊ダイヤモンド 1997.12.20号 → 85巻49号  



製本雑誌


** お願い **
 図書館の資料は以上のような規則に従って並んでいますから、書架から取り出した資料は元の位置に戻してください。もし、どこに戻していいかわからない場合は、資料があったフロアに設置してある返却台に置いてください。




■ ■ ■ ■ ■ Q&A ■ ■ ■ ■ ■


Q&AQ 図書を継続して借りることはできますか?

  •  A 継続したい図書と学生証を必ず持参してください。1回を限度に継続の貸出ができます。ただし、その図書に予約が入っているとき、その図書の返却期日が過ぎているとき、または他に借りている図書の返却期日が過ぎているときは継続の手続きができません。返却期日を守りましょう。


Q&AQ 1本のビデオを複数人で視聴できますか?

  • A 視聴覚室の設備は、個人ブ-スとなっているので各個人別々のビデオを使用してください。
      平成14年度より視聴覚室はITスクエアとして改装オープンし、3名まで一緒にビデオやDVDを視聴することができるグループ学習ブースを2台備えています。ご利用ください。




リレーエッセイ ふたこと・みこと

 このコーナーでは教職員の方々の「図書館」や「本」にまつわるエッセイを掲載していきます。 


「図書館の思いで」             物質工学科 堂山昌男教授

 この頃悪い習慣がついて、うるさく催促された原稿でないと書かない。図書館の方には大分迷惑をかけた。
 われわれの学生時代は戦争中で、教科書も思うように手にはいらなかった。このような時代には図書館で本を借り、一生懸命写したものである。ゼロックスなどという便利なものはなかった。名古屋の空襲で第八高等学校が焼け、図書館から何日も煙が出ていた。
 終戦後の夏休みは上野の図書館によく通ったものである。午前9時開館になるが、8時には長蛇の列が出来、図書館が満員になると入館できず、退館者が出る昼頃までは外で待たされる。中で本を借りるのではなく、自分で本を持っていって読む。周りの人の目があり居眠りも出来ず、適度の刺激もあり、能率が上がった。当時の一般家庭には冷房機具はなく、図書館ですら冷房は入っていなく、開け放した窓から木々の間を抜けて来る風と扇風機が涼しかった。
 アメリカに留学してわかったことは、アメリカの研究者は日本人ほど蔵書をもっていない。そのかわり、学科の図書室は完備していて、必要な本はほとんどあり、原則として図書室で読む。学術雑誌は必要なところだけコピーするので、何時いっても必要な本が棚にある。日本の大学のように目録だけあって、多くの本が先生の部屋に死蔵されていることはない。大学院生以上は図書室の鍵を渡され、夜中でも休日でも必要な時に図書館に入れる。夜中の2時でも3時でも図書館に行くと必ず誰かが本を読んでいる。
 帝京科学大学でもオープンシェルフ方式であるが、アメリカの学科図書室は50年前からオープン方式であるので、自由に本がみられる。しかし、オープン方式だと不心得者がいて、本が紛失するのは洋の東西を問わない。それでも研究には図書室の鍵とオープン方式が必要と堅持している。
 学生は期限が過ぎて本を返却しないと、1日いくらと罰金をとられる。当然のことながら借りた本を全部返さないと卒業証書がもらえない。


Information
 

<卒業生・修了生の貸出について> <春休み中の開館時間> <追・再試験中の開館時間>
最終貸出日:2月21日
最終返却日:2月28日

返却期限は必ず守ってください。
 期間:2月4日~2月17日
    2月26日~4月3日
 月~金 9:30~17:00
  土  9:30~12:30
 期間:2月18日~2月25日
 月~金 9:30~19:50
  土  9:30~16:00

 

2月2,3日は本学入学試験のため、3月18日は卒業式のため、臨時休館します。